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  1. 埼玉県議会 2020-02-01
    02月28日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 2年  2月 定例会二月定例会  第九日(二月二十八日)令和二年二月二十八日(金曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 本定例会に提出された請願の報告 三 知事追加提出議案の報告、上程    第七十四号議案 四 知事の提案説明 五 知事提出議案(第五十一号議案及び第七十四議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問    六十六番  須賀敬史議員 六 各常任委員会の審査結果報告(文書) 七 知事提出急施議案(第五十一号議案)の上程 八 各常任委員長の審査経過報告(口頭)    美田宗亮  企画財政副委員長    萩原一寿  環境農林副委員長    権守幸男  県土都市整備副委員長 九 知事提出議案(第五十一号議案及び第七十四議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問(続行)      三番  平松大佑議員     十四番  町田皇介議員 十 知事提出急施議案(第五十一号議案)に係る各委員長の報告に対する質疑 十一 知事提出急施議案(第五十一号議案)に対する討論 十二 知事提出急施議案(第五十一号議案)の採決 十三 次会日程報告     二月二十九日(土)、三月一日(日) 休日休会     三月二日(月) 午前十時開議、質疑質問続行 十四 散会          ----------------本日の出席議員    九十一名         一番  金野桃子議員         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         四番  柿沼貴志議員         五番  高橋稔裕議員         六番  逢澤圭一郎議員         七番  山口京子議員         八番  千葉達也議員         九番  渡辺 大議員         十番  松井 弘議員        十一番  高木功介議員        十二番  深谷顕史議員        十三番  白根大輔議員        十四番  町田皇介議員        十六番  八子朋弘議員        十七番  杉田茂実議員        十八番  江原久美子議員        十九番  中川 浩議員        二十番  宮崎吾一議員       二十一番  関根信明議員       二十二番  木下博信議員       二十三番  藤井健志議員       二十四番  美田宗亮議員       二十五番  吉良英敏議員       二十六番  松澤 正議員       二十七番  橋詰昌児議員       二十八番  辻 浩司議員       二十九番  東間亜由子議員        三十番  守屋裕子議員       三十一番  松坂喜浩議員       三十二番  並木正年議員       三十三番  石川忠義議員       三十四番  宇田川幸夫議員       三十五番  浅井 明議員       三十六番  飯塚俊彦議員       三十七番  横川雅也議員       三十八番  内沼博史議員       三十九番  岡田静佳議員        四十番  細田善則議員       四十一番  永瀬秀樹議員       四十二番  安藤友貴議員       四十四番  井上将勝議員       四十五番  前原かづえ議員       四十六番  秋山文和議員       四十七番  井上 航議員       四十八番  岡 重夫議員       四十九番  醍醐 清議員        五十番  日下部伸三議員       五十一番  小久保憲一議員       五十二番  立石泰広議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  小川真一郎議員       五十八番  権守幸男議員       五十九番  萩原一寿議員        六十番  水村篤弘議員       六十一番  高木真理議員       六十二番  村岡正嗣議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  武内政文議員       六十五番  中野英幸議員       六十六番  須賀敬史議員       六十七番  新井一徳議員       六十八番  梅澤佳一議員       六十九番  中屋敷慎一議員        七十番  木下高志議員       七十一番  諸井真英議員       七十二番  杉島理一郎議員       七十三番  齊藤邦明議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  山本正乃議員       七十七番  木村勇夫議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  神尾高善議員        八十番  岩崎 宏議員       八十一番  高橋政雄議員       八十二番  田村琢実議員       八十三番  小林哲也議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  浅野目義英議員       九十三番  田並尚明議員   欠席議員    二名        十五番  秋山もえ議員       四十三番  山根史子議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   奥野 立  副知事   飯島 寛  副知事   石川英寛  企画財政部長   北島通次  総務部長   小島康雄  県民生活部長   森尾博之  危機管理防災部長   小池要子  環境部長   知久清志  福祉部長   関本建二  保健医療部長   加藤和男  産業労働部長   牧 千瑞  農林部長   中村一之  県土整備部長   和栗 肇  都市整備部長   上木雄二  会計管理者   立川吉朗  公営企業管理者   岩中 督  病院事業管理者   砂川裕紀  下水道事業管理者   小松弥生  教育長   高木紳一郎 警察本部長             発言(質問)通告書  二月二十八日(金)議席番号 氏名      要旨 答弁者六十六番 須賀敬史議員  1 人生百年プロジェクトについて 知事             2 本県の子供たちをどう育んでいくのか 知事             3 ネット依存・ゲーム障害の対策について 教育長 保健医療部長             4 教育局の障害者雇用と教員のわいせつ行為について 教育長             5 スポーツ歯学を取り入れた競技力向上とマウスガードの普及について 教育長 県民生活部長             6 外国人との共生のために 教育長 県民生活部長  三番 平松大佑議員  1 戦略的なベンチャー育成を 知事             2 埼玉版スーパーシティプロジェクトについて 知事             3 頻発する風水害への備えを 知事             4 EdTech推進について 教育長              (1) EdTech推進方針の策定について              (2) 県内市町村の小学校・中学校、県立学校の校内ネットワークの整備について              (3) 県内市町村の小学校・中学校の端末整備計画について              (4) 県立学校での端末の整備について             5 子供の貧困対策について 福祉部長             6 スマート県庁の推進について 企画財政部長             7 NPOの戦略的育成について 県民生活部長             8 大江戸線延伸について 企画財政部長             9 地元問題について              (1) 保谷朝霞線について 県土整備部長              (2) 栗原交差点改良工事について 〃              (3) 柳瀬川幹線の満管状態に起因する汚水の大規模な溢水被害について 下水道事業管理者              (4) 県道さいたま東村山線の歩道整備について 県土整備部長 十四番 町田皇介議員  1 児童相談所職員の負担軽減と子ども家庭総合支援拠点整備への支援について 知事             2 屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設の果たすべき役割と機能について 知事             3 学校における働き方改革を実現するための方策について 教育長             4 障害者の親亡き後を見据えた地域生活支援拠点等の整備促進について 福祉部長             5 中小企業・小規模事業者の防災・減災対策の推進について 産業労働部長             6 直轄警察犬・警備犬、嘱託警察犬の活用と体制強化について 警察本部長             7 地元問題について 県土整備部長              (1) 一級河川江川の治水対策について              (2) 原市沼調節池の早期整備と利活用について              (3) 県道鴻巣桶川さいたま線上尾陸橋交差点)の渋滞緩和策について          ----------------午前十時二分開議 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名    十五番  四十三番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △開議の宣告 ○神尾高善議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △本定例会に提出された請願の報告 ○神尾高善議長 この際、報告をいたします。 本定例会に提出された請願につきましては、請願文書表としてお手元に配布しておきましたので、御了承願います。〔参照-(四四一)ページ〕          ----------------知事追加提出議案の報告 ○神尾高善議長 知事から議案の追加提出がありましたので、御報告いたします。 議事課長に朗読させます。       〔議事課長朗読〕 財第五百二十七号  令和二年二月二十八日 埼玉県議会議長  神尾高善様                        埼玉県知事  大野元裕        県議会付議議案について 本議会に付議する議案を次のとおり提出いたします。 第七十四号議案 令和二年度埼玉県一般会計補正予算(第一号) ○神尾高善議長 ただ今報告いたしました議案は、お手元に配布しておきましたので、御了承願います。〔参照-(三八二)ページ〕          ---------------- △第七十四号議案の上程 ○神尾高善議長 知事から追加提出された第七十四号議案を議題といたします。          ---------------- △知事の提案説明 ○神尾高善議長 知事の説明を求めます。 大野元裕知事       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 ただ今、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。 まず、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応について御説明申し上げます。 新型コロナウイルス感染症につきましては、世界各国に感染が拡大する中、一月十五日には国内で初めて感染が確認され、現時点での本県の感染確認事例は四件となっております。現在、国や関係機関等と協力して適切な措置を講じているところであります。 また、先日、国は新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を公表したところであり、県といたしましても国と密接に連携しながら、更なる取組を検討してまいります。 加えて、昨日、国は全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について三月二日から春休みまでの間、臨時休業を行うよう要請するとの発表がありました。本県においても国の要請を踏まえ、子供たちの健康・安全の確保と、感染拡大防止の観点から、特別支援学校を除いた県立学校を臨時休業とすることとし、県内市町村立学校及び私立学校にも同様の対応の検討を働き掛けてまいります。 県立高校の入試につきましては、全日程を必要な感染予防策を講じた上で実施いたします。 また、卒業式を実施する場合は、卒業生や教職員のみの参加など最小限の規模かつ必要な感染予防策を講じた上で実施することといたします。 県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、円滑な臨時休業等の実施が可能となるよう、県といたしましてもしっかり対応していきたいと考えております。 次に、予算対応につきましては、既に予備費を活用して専用電話相談窓口の開設やウイルスの検査機器の増設、陰圧テントの整備など、当面の緊急的な対策を講じています。今回の補正予算案は、県民の不安解消を図るとともに、感染拡大防止対策の強化に要する経費を令和二年度の補正予算として計上するものでございます。 現在対応している相談・検査体制を四月以降も継続するための経費や、県民の皆様に正確な情報を届けるため、啓発用リーフレットの作成に要する経費を計上いたしました。また、検査体制や診療体制の強化のため、感染防護具等を購入する経費や感染した方の入院医療に要する経費などを計上しております。 この結果、一般会計の補正予算額は四億五千三百二十七万五千円となり、当初予算との累計額は一兆九千六百七億六千八百二十七万五千円となります。 なお、二月十九日から、県制度融資のうち経営あんしん資金融資対象者要件を緩和し、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けている県内中小企業の資金繰りを支援しております。 以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。          ----------------知事提出議案(第五十一号議案及び第七十四号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問 ○神尾高善議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 六十六番 須賀敬史議員       〔六十六番 須賀敬史議員登壇〕(拍手起こる) ◆六十六番(須賀敬史議員) 南第十九区、蕨市選出、自由民主党議員団、須賀敬史です。 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。 まず初めに、一、人生百年プロジェクトについてお伺いします。 大野知事は、上田前知事が進めていた三大プロジェクトに、新たな時代の潮流と御自身の視点を加え、五大プロジェクトを示されました。その一つが、人生百年プロジェクトです。全国で最も速いスピードで高齢化が進む本県において、人生百年時代をどう戦略的に描いていくかは、最優先課題の一つです。 以下、このプロジェクトを「社会参加」をキーワードに質問いたします。 人生百年時代に向けて健康、就労、社会参加の分野ごとに、それぞれの部局でシニアを対象とした健康長寿埼玉プロジェクトの推進や、働くシニア応援プロジェクトを展開し、アクティブシニアの地域デビューなどにより、地域社会活動に参加する人を増やそうと取り組まれています。 しかし、全体から見ると、講座や支援を幾つも並べて、シニア個々人にやりたいことを選んでもらっているだけという印象で、豊かに百歳まで暮らす地域社会の在り方や、地域の中でシニアに求める人材像などが示されない中で進められているように見えます。 知事は、昨年十二月定例会での松井弘議員の質問に対し、「人生百年時代を考える場合には、高齢者だけでなく子供や若者を含めた全ての世代を見通す必要がある」と答弁されました。正にそのとおりで、人生百年時代は高齢者だけの問題ではなく、子供から大人まで人生が長くなった時代に、どのように学び、働き、暮らすのかを考えて、実践する社会です。 しかしながら、知事の発信には、本県としてのビジョンや戦略がありません。「人生百年時代だから、運動して元気に過ごしましょう」という程度の発信では、物足りなさを感じます。 本県の健康長寿の取組は、健康イコール歩くことや筋力トレーニングなどの運動であり、そこには「社会参加」が健康に大きく寄与するという重要な視点が欠けているのではないでしょうか。最近の研究では、特に「社会参加」の頻度の低下がフレイルの入り口になりやすいと言われています。日本人男性の定年後の寝たきり率が約一九パーセントというデータもあり、この数字は世界トップレベルで、その原因は、定年まで仕事一筋、定年後に新たな目標も社会参加の機会も持てないためだと分析されています。つまり、高齢者の健康イコール運動という図式では不十分であり、むしろ社会参加が健康に大きな意味を持つということです。 人生百年時代に元気な高齢社会を実現するためにどのような地域社会を描くのか。そして、自治会・町内会など社会参加が希薄化し、減少している中で、シニアの健康増進とともに社会参加をどう戦略的に進めていくのか、知事の御所見をお伺いします。 さらに言えば、現在進められている社会参加の施策の対象は、シニアに絞られています。しかし、そうではなく、人生百年時代、子供のうちからシニアに至るまでの長い人生で、地域社会とのつながりをどう作っていくのかという視点が必要だと考えますが、併せて知事の御所見をお伺いします。 次に、二、本県の子供たちをどう育んでいくのかについて、知事のお考えを伺います。 「ボールを蹴れる公園を造ってください。」ある小学生が市の教育長への表敬訪問の際、最後に言った言葉です。 先日、埼玉新聞に、スポーツ庁が行った小学五年生と中学二年生を対象に実施した二〇一九年度全国体力テストの結果が公表されました。本県の小学五年生の男女、中学二年生の男女ともに昨年度を下回っており、全国の小学五年生男子は、二〇〇八年度の調査開始以降、最低となりました。 こうした状況の中で、本県では、第三期埼玉県教育振興基本計画において、児童生徒の体力の向上を掲げ、様々な取組を進めています。しかし、学校での体育の授業は週に二時間から三時間、長い休み時間に校庭で遊ぶとしても合計で週に約六時間程度、この短い時間だけで果たして体力の向上は図れるのか、甚だ疑問です。学校以外の時間にスポーツ団体に所属し、ボールに触ったり走ったりする子供たちもいますが、所属していない子供たちはどこでボールに触れ、走れるのでしょうか。 本来、それは近くの公園でした。その公園が「ボール遊び禁止」「静かにしましょう」では、体力をつけるすべがないだけでなく、子供たちの居場所も奪ってしまっているのです。公園で親子がキャッチボールをする姿も余り見掛けなくなりました。 本県所沢市を本拠地とするプロ野球球団の埼玉西武ライオンズは「公園キャッチボールプロジェクト」を実施しています。地域の公園などにグローブやボールを寄贈して、公園でキャッチボールができる環境を整えるという活動です。現在、県営公園七か所を含む十三か所が指定されています。また、公園の遊具を取り扱うメーカーが提供しているアプリでは、県内でキャッチボールができる公園を検索できます。それによると、キャッチボールができる公園が一か所もない市町村もあります。ちなみに、私の地元蕨市には一か所もありません。ボールで遊べない公園が大半を占めるようになり、遊具も危険だという理由で使用禁止あるいは撤去されています。 一方で、子供たちの体力、運動能力の低下が著しいと嘆いています。当たり前の話です。余りにも不寛容な大人たちが、子供たちの自由、そして健全に成長していく機会を奪っているのです。一昔前は、暗くなるまで公園でボールを投げたり、打ったり、蹴ったり、鬼ごっこをして走り回って体力が備わり、遊び方も自由にアレンジして進化させ、遊びの中からルールを守ることや年下の子をいたわるなどの大切なことを学んでいました。今の時代、公園で大声を出して遊んでいると、近隣から「うるさい」と苦情が出るそうです。「公園では静かにしましょう」という、何ともナンセンスな注意書きが掲げられている公園もあります。子供は飛んだり、跳ねたり、大声を出したりして成長していくものです。私たち大人の子育てに対する意識は、このままでよいのでしょうか。 知事は、危険を理由に公園の遊具が使用禁止あるいは撤去され、ボール遊びも禁止、大声を出すことさえも迷惑だと言われる地域の公園の実情をどのように感じておられるのでしょうか。少々迷惑を掛けることはお互い様、そうやってお互いに温かい気持ちで補い合える社会の子育てこそ必要だと思います。市町村と連携して、地域の公園において、憩いの公園とすみ分けをして、ボール遊びができる公園を増やしていくべきではないでしょうか。知事の御所見をお伺いします。 また、埼玉県青少年健全育成・支援プランには「青少年の規範意識やコミュニケーション能力を高めるとともに、自らを律しつつ他者を思いやる心など豊かな人間性を育むため、自然との触れ合い体験や社会体験、文化芸術やスポーツ活動など、様々な体験活動等を促進します。また、健やかな発達・成長のため、望ましい生活習慣を身に付けることや健康づくりを進めます」と書かれています。先ほど述べた現状とは、かけ離れたプランではないでしょうか。少子高齢化が全国一速いスピードで進んでいく本県において、知事は大人の意識の持ち方も含め、本県の子供たちをどのように育てていこうと考えているのか、御所見をお伺いします。 次に、三、ネット依存・ゲーム障害の対策についてです。 厚生労働省によると、我が国では成人の四百二十一万人、中高生の九十三万人が、オンラインゲームを含めた病的なネット依存が疑われると推計され、過去五年間で倍増しました。中高生の実に七人に一人が、ネット依存のおそれがあるのです。 昨年五月、WHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を新たな国際疾病分類として認定しました。ゲーム障害とは、ゲームをする時間をコントロールできない、他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先するといった症状が一年以上継続することをいいます。症状が重い場合は、一年以内でも該当します。 平成二十三年に国内で初めてネット依存の専門外来を開設した神奈川県横須賀市にある国立病院機構久里浜医療センターによると、ゲーム障害が疑われる患者の約八割が未成年で、大半は中高生です。未成年の患者が多いのは、脳にも関係があります。発達段階にある子供の脳は本能が強く、危ないという考えよりも好奇心が勝る傾向があり、ゲームの刺激を受けやすく、時間をコントロールすることが難しくなります。依存すると、理性をつかさどる部分の働きが低下し、更にゲームに没頭するという悪循環に陥るのです。 ゲーム障害では、体を動かさずにゲームに没頭するため、昼夜が逆転して引き籠もり、体力の低下や栄養不足、鬱気味になるといった心身不調を来し、親に注意されて暴言や暴力を振るうこともあります。 インターネットやスマホの普及で、ゲーム障害は世界中で問題となっています。日本より早くから社会問題化している韓国では、二〇〇二年、オンラインゲームを八十六時間続けた男性が、長時間同じ姿勢で下半身が鬱血するエコノミークラス症候群で死亡しました。 ゲーム障害の多くは、オンラインゲームに没頭しています。オンラインゲームとは、インターネット上で通信しながら複数でも同時に遊べるゲームです。学校やアルバイトが終わった夜十一時頃から深夜一時、二時が最も盛り上がる時間帯で、深夜にゲームをすることで睡眠時間が短くなり、朝も起きられず、成績不振や引き籠もりにつながってしまうのです。 長時間ゲームをすればするほど、アバターと呼ばれる自分の分身が強くなり、武器やゲームに使うアイテムも充実し、他の参加者よりゲームを優位に進めることができます。ネット上で知り合った複数の仲間とチームを組んでモンスターを倒したり、架空の戦場で戦うゲームでは、自分一人がゲームを抜けると、チームが負けたり他の参加者に迷惑を掛けたりすることになるため、責任感が生じ、学校があるから、眠いからといって自分だけゲームをやめることが難しくなるのです。 さて、本県の児童生徒のスマホ所持率は、平成三十年度では小学六年生三二・三パーセント、中学二年生六八・四パーセント、高校二年生九六パーセントでした。ネットゲームに限らない平日のインターネット利用時間は、平均で約一時間から三時間程度、高校二年生の約一二パーセントは五時間以上という調査結果でした。 このような状況の中で、本県でもネット依存・ゲーム障害への対策を早急に進めていくべきではないでしょうか。具体的には、実情の把握、相談・治療体制の整備、予防教育の推進です。 実情の把握については、スマホ所持率と利用時間に加え、長期欠席の児童生徒の欠席事由がネット依存・ゲーム障害に起因する可能性も想定し、本人と保護者への聞き取り調査などを丁寧に行うことが必要です。 相談・治療体制の整備については、現在の相談窓口である県内保健所にネット依存・ゲーム障害の相談ができる人材を配置できるよう、研修や専門人材の育成が必要です。また、教員とスクールカウンセラーにも研修が必要だと思います。治療体制については、県立精神医療センターにネット依存症外来を開設していますが、今後はネット依存・ゲーム障害を重症化させないための予防キャンプの実施も検討すべきと考えます。 予防教育の推進については、学校ではネットリテラシーやインターネットそのものの使い方については力を入れていますが、ネットやゲームの負の側面についての教育は余り行われていないようです。これは児童生徒だけでなく、保護者も対象にして一緒に行う必要があると思います。また、eスポーツが話題になってきました。eスポーツに憧れてネット依存になることも十分に想定できます。ここも今から対策が必要です。 以上を踏まえて、本県としてネット依存・ゲーム障害についての対策を早急に進めるお考えはないか、教育長と保健医療部長にお伺いします。 次に、四、教育局の障害者雇用と教員のわいせつ行為についてです。 まず、障害者雇用についてお伺いします。 一昨年、障害者雇用率水増し問題が発生し、様々な検討がなされ、本年十二月三十一日までに障害者の法定雇用率二・四パーセントの達成に向けて取組が進められていると思います。 さて、令和元年六月現在での雇用率達成までの不足人数は二百四十七・五人とのことです。この数字は教員が全体の九割を占めるという中では、簡単に達成できるものではありません。 では、まず障害のある方の教員としての採用を考えてみます。ここ数年の全体としての教員採用選考試験の志願者数を見ると、平成二十六年の九千六十七人をピークに年々減少し続け、令和元年には六千九百三十二人と二割以上減っています。うち、障害のある方の志願者数は三十四人にとどまります。障害のある方が教員になり教育の現場に立つことは、お互いの個性を尊重し合い、認め合うノーマライゼーションの感覚を児童生徒も、保護者も、そして同じ職場で働く方々に持ってもらうためにも、大きな意義を持ちます。しかし、まず教員を志してもらわなければ始まりません。そこで、本県として志願者の増加に向けて更に工夫が必要と考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 次に、事務職員としての雇用についてです。先日の新聞報道によると、「国の全省庁が障害者雇用率を達成した」とありました。その中での当事者アンケートでは、業務量や作業環境について一〇パーセント近くの方が「不満」と回答していました。自由記述欄には、「業務量が少な過ぎる」とあったそうです。障害のある方を雇用するに当たり、ただ雇用率達成のために人数だけ増やし、仕事のやりがいは二の次では、何の意味もありません。本県では、業務量ややりがいについてどのようにお考えなのか、教育長にお伺いします。 続いて、教員のわいせつ行為について伺います。 教員のわいせつ行為等で、令和元年度には十三件、懲戒免職にしました。これらは盗撮、生徒との交際、SNSを通じて知り合った未成年とのわいせつ行為などです。教員が懲戒免職になっても、三年が経過すると再び教員免許を取得できるそうです。びっくりです。そして、再び教員採用試験を受けるに当たっては、過去にわいせつ行為等で処分されたとしても、受験資格を制限されないというのです。またまたびっくりです。 児童生徒の心に消えることのない傷を負わせた者が、再び教壇に立つことを断じて許してはなりません。一度過ちを犯した者でも、再チャレンジの機会が与えられなければならないのは理解できます。しかし、その再チャレンジの場が、同じ教員という職業である必要は全くありません。教育の現場では、不祥事を起こした教員の権利が、児童生徒の権利に勝ってはならない。子供を守ることが何よりも優先されなければなりません。教員の採用選考に当たっては、処分事由をしっかりと調べ上げ、この事由は生涯にわたり引き継がれるべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 また、採用選考時に行われる適性検査だけではなく、採用後にも教員としての適性をしっかりと見極めることを行うのはもちろんのこと、研修などによる資質の向上を待つだけではなく、わいせつ行為ができない環境を作り上げるため、結果の出る新たな取組が必要だと考えますが、教育長の決意をお伺いいたします。 次に、四、スポーツ歯学を取り入れた競技力向上とマウスガードの普及について質問します。 昨年十一月、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会が、日本代表の悲願であったベスト八達成という偉業に大きな盛り上がりを見せ、終了しました。その後にもラグビー人気は衰えず、トップリーグの観戦者も増加し、ラグビー教室に通う子供たちも増えました。 ワールドカップで印象に残っているものの一つに、日本代表、福岡堅樹選手の青いマウスガードがあります。ラグビーでは高校生までマウスガードの装着が義務となっていて、大学以上は義務ではないものの装着率は高くなっています。 福岡堅樹選手の父親で歯科医の福岡綱二郎氏は、福岡県内で行われた市民スポーツ研修会で「スポーツと歯の健康」と題した講演を行いました。福岡氏は学校医を長年務め、スポーツ選手のマウスガードの普及にも力を入れていました。講演では、一昨年、福岡選手が試合中に脳震とうにより救急車で搬送されたものの、マウスガードの効果で脳へのダメージが防げたことを紹介し、マウスガードは強い衝撃から歯や脳へのダメージを軽減したり防げたりするほか、装着している安心感から試合のパフォーマンスが向上する、との報告を示しました。 スポーツ基本法には、「スポーツに関する科学的研究の推進等」が規定されており、そこには「歯学」という文言が入っています。スポーツ基本計画の中には、学校体育に関する事故防止のことが記載されています。日本スポーツ振興センターの障害見舞金の対象の中で、歯の喪失は高い割合を占めています。特に口のけがが多いスポーツは、人と人同士の接触の多いものやボールを使用する球技です。しかし、驚くことにどちらにも当てはまるラグビーは、けがの数が少ない傾向にあります。これは、マウスガードを着けている選手が多いことに大きく関係しています。 一方、オリンピック代表候補選手のデータでは、約三五パーセントの選手が不正咬合、すなわち歯並びの乱れなどの理由でかみ合わせが悪い状態にあるといいますが、きちんとしたかみ合わせ、咬合力が強い方が高いパフォーマンスを発揮できると言われています。 スポーツにおいて歯を守ることは、けがの防止と競技力向上の両面から重要であり、学校体育の現場では、教員が歯の健康の重要性を理解し、生徒を指導すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 ラグビータウン熊谷市では、「熊谷市市民の歯と口の健康づくりを推進する条例」に基づき、スポーツにおける口のけがを予防するためとして、マウスガード作製に要する費用の一部に対し、一回目は五千円、二回目以降は二千五百円の補助金を交付しています。マウスガードは安いものもありますが、個人に合わせたカスタムメイドでないと十分な効果を発揮できず、かえって危険なこともあります。 しかし、カスタムメイドだと数万円と決して安いものではありません。関東ラグビー協会では手弁当の歯科医をチームに出張派遣し、五千円でカスタムメイドを行う体制を整えていますが、ラグビーだけでなく他のスポーツも含め、今後もっとマウスガードを普及させていく必要があると考えます。スポーツデンティストという歯科医も制度化されており、今後、歯科医師会などとも連携し、本県としてマウスガード作製の補助も含め支援が必要と考えますが、県民生活部長の御所見をお伺いします。 最後に、六、外国人との共生のためにについてです。 近年、我が国を訪れる外国人は増加の一途をたどっています。平成三十年十二月、新たな在留資格の創設を盛り込んだ改正入国管理法が成立し、翌年四月の施行により、今後五年間で最大三十四万五千人の新たな外国人材の受入れが始まりました。 本県の在留外国人は、平成二十七年末には約十四万人でしたが、平成三十年末には約十八万人となり、三年間で約一・三倍となりました。言語、宗教、習慣など異なる社会的背景を有する外国人が、日本社会に円滑に溶け込む上で特に重要とされるのが、日本語教育です。共通の言語は、相互理解を深める最良のツールであり、外国人の日本語能力が向上すれば、地域社会との円滑なコミュニケーションが図られるだけでなく、日本の文化や習慣に関する知識など社会から得られる情報量が増加し、地域社会との融和も図れます。また、就労に必要とされる知識や技能も身に付けやすくなります。 在留外国人の増加に伴い、外国籍の子供が増加しています。国際人権規約等によって、普通教育を受けさせる義務の課されていない外国籍の子供であっても、就学機会の確保に努めることが求められています。これらの子供たちにしっかりとした日本語教育と、それに併せて日本の文化や道徳教育を行うことにより、今後ますます少子高齢化が進む中で、日本人住民とともに地域社会を支える存在になり得ると考えます。 地域問題に目を向けると、トラブルの一つとして、ごみの問題が挙げられます。ルールを理解せずにごみを出すことで、地域住民とのあつれきが生じているケースはよく耳にします。ありふれた問題ですが、一番根深い問題です。 そこで、例えば日本語と併せてごみ出しのルールも子供たちに教え、子供たちを通して家庭にルールを浸透させていくという方法もあります。これは一例ですが、こういった家庭の中から地道な啓発活動を行うことも重要なのではないでしょうか。小中学校での日本語教育に日常生活の題材を取り入れるなどの工夫により、日本での生活や道徳を併せて学ばせることが大切であると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 また、外国人が経営する店舗で就労している外国人は、住民登録されていないケースがあるということを耳にします。不当な労働環境で働かされ、医療機関では保険証の使い回しも行われているとも聞きます。まずは、市町村が在留外国人をきちんと把握することが必要で、県はそれを支援すべきです。全ての在留外国人に住民登録を行わせることで健全に働くことができ、きちんと納税させ、福祉を受けさせることが重要です。 本県の在留外国人、すなわち外国籍の県民が日本の文化・道徳を理解し、地域社会を構成する一員としてその能力を発揮し、社会を支えていく存在となるためには、外国人に対して住民登録など日本の制度をしっかりと教えることが必要であると考えますが、県民生活部長の御所見をお伺いします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 六十六番 須賀敬史議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 須賀敬史議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、人生百年プロジェクトについてのお尋ねのうち、元気な高齢社会を実現するために、どのような地域社会を描くのかについてでございます。 本県は、間もなく人口減少に転じ、全国一のスピードで後期高齢者人口が増加する一方、生産年齢人口の減少が進み、誰も経験したことのない大きな変化への対応をしっかりと行っていく必要があります。その有力な手段がコンパクトシティであると考えています。 コンパクトシティを大きな柱とする埼玉版スーパーシティプロジェクトは、本県が今後直面する課題に対する戦略であり、ビジョンです。このプロジェクトはコンパクトなまちの実現を目指したものであり、住居と職場が集積するエリアをつくり、ワーク・ライフ・バランスを向上させ、子育て環境を整えます。高齢者の孤立や空き家問題、買物難民や交通難民など、少子高齢化で生じる多くの課題解決に寄与するとともに、身近に地域活動や就労の場が得られるものと考えております。コンパクトシティでは、まちの中に子育て中の若い世代やシニアまで様々な世代が暮らすことにより、高齢者や子供たちへの見守りや共助が行え、世代の循環を促して、まちの活気や持続性の確保が可能な環境を提供することとなります。こうした取組を実現させ、元気なシニアがいつまでも健康で自立し、地域活動など様々な分野で活躍できる社会を築いてまいります。 次に、シニアの健康増進とともに、社会参加をどう戦略的に進めていくのかについてでございます。 健康に過ごすためには、運動習慣を身に付けてもらうことが重要であることから、人生百年プロジェクトにおいては、コバトン健康マイレージにも取り組んでまいります。コバトン健康マイレージは、運動だけでなく、社会参加の促進にも活用できると考えております。それとともに、シニアが自分の意欲や希望に合わせて地域活動への参加や就労ができる機会や仕組みづくりが重要です。令和二年度は県民活動総合センターにシニア向けワンストップ型の総合窓口を設置し、多方面からのシニア応援体制を構築いたします。 また、シニアの元気・自立を支援し、地域の担い手を育成することを目指して、現在の彩の国いきがい大学のカリキュラムを刷新し、埼玉未来大学としてライフデザイン科と地域創造科の二科を新設し、講義を行ってまいります。ライフデザイン科では、シニアの食事・運動・生活習慣など、元気で自立したシニアライフを送るために必要な知識を学ぶとともに、地域デビューのきっかけを作ります。もう一つの地域創造科では、地域の課題を解決するため、自ら行動しようとするシニアにきめ細かい支援を行い、地域の担い手を育成いたします。今後もシニアの社会参加について、様々な取組を戦略的に進めてまいります。 次に、子供のうちからシニアに至るまで長い人生で地域社会とのつながりをどうつくっていくのかという視点についてでございます。 議員御指摘のとおり、人生百年時代を考える場合には、シニアだけではなく、子供や若者を含めた全ての世代を対象にする必要があると思います。先ほど申し上げた埼玉版スーパーシティプロジェクトによる多様な世代が共生できる仕組みに加え、世代を超えて地域活動に参加し、交流を深める事業を行ってまいります。例えば環境保全の分野では、地域で川やみどりの再生に取り組む「川の国応援団」「彩の国みどりのサポーターズクラブ」の支援などに取り組んでいます。また、小学生や中高生には、東京オリンピック・パラリンピックにおきましてボランティアとして参加していただき、世代間交流を体験していただきます。 私は、人生百年プロジェクトを子供からシニアまで生涯を通じた取組と捉え、生き生きと活躍できる社会づくりを目指し、強力に推進してまいります。 次に、本県の子供たちをどう育んでいくのかのお尋ねのうち、市町村と連携してボール遊びができる地域の公園を増やしていくことについてでございます。 公園は人々の憩いの場であると同時に、レクリエーションの場になる貴重な地域の財産だと思います。県営公園は比較的面積が広いことなどから、一部の特殊な施設を除き、他の利用者の迷惑にならない範囲であれば、ボール遊びは禁止しておりません。 一方、市町村が設置・管理している地域の公園は、比較的面積も小さく生活に密着しているため、住民からの要望や苦情が多く寄せられているのが実情です。このため、ボール遊びの禁止など何らかの制限をかけざるを得ない公園が増えているのではないかと、私は思っています。地域の公園は、「子供たちがボール遊びをし、走る回ることで、体力をつける場や学校以外の時間の居場所になる」という議員のお話については、私も同じように感じています。 そこで、行政としても知恵を絞る必要があると思います。子供たちの遊び場となり、高齢者たちの憩いの場ともなる生活に密着した地域の公園は、限られた空間を地域の方々がみんなで快適に利用していくことが理想であります。 都内の例ではありますが、例えば足立区ではモデル地域を定め、住民の意見を聞いた上で、誰もが自分に合った過ごし方をできるよう、公園を「にぎわいの公園」と「やすらぎの公園」の二つに分類する試みを行っています。「にぎわいの公園」では、できるボール遊びを掲示し、限られたスペースではあるものの、子供たちが大きな声を出して元気に、そして安全に遊べるようになったと伺っています。 市町村も工夫を重ねているとは存じますが、公園の整備や管理に当たっては、様々な声を聞きながら地域にふさわしい公園づくりを行うことが求められています。県といたしましては、市町村の公園について憩いの公園とすみ分けして、ボール遊びができる公園などを増やしていけるように、先行事例の情報提供や相談への対応などの支援をしてまいります。 次に、大人の意識の持ち方も含め、本県の子供たちをどのように育てていくのかについてでございます。 いついかなる時代においても、未来に希望をもたらす子供は社会の宝であります。子供たちが伸び伸びと成長し、一人一人の能力を発揮できるよう大人が温かく見守りながら、様々な体験活動を通して豊かな人間性や社会性を育んでいくことが重要だと考えます。そのためには、県や市町村はもとより、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組むことが必要です。 現在、県内の各学校において児童生徒が発達段階に応じて自然体験、職場体験、社会奉仕体験などを行う「埼玉の子ども七十万人体験活動」を実施しています。また、県では、県内の企業や大学などの協力を得て、小学四年生から六年生を対象にアナウンサーやデザイナーなど憧れの職業を体験する教室を実施し、子供たちの夢や希望を育んでいます。さらに県内では、地域の団体などが子供たちに無料や低額で食事を提供する子ども食堂や登下校時の見守り活動などを行う学校応援団など、地域の大人が子供を見守り支える活動も広がっています。 子供には無限の可能性があります。私は、全ての子供たちにひとしく活躍するチャンスがあり、元気に伸び伸びと活躍できる社会に向けて、しっかりと取り組んでまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問三、ネット依存・ゲーム障害の対策についてお答え申し上げます。 いわゆるネット依存・ゲーム障害については、今後、学校においても対応していくべき健康課題の一つであると認識しております。 まず、実情の把握についてでございます。 WHOが疾病分類に加えたことによる日本国内での取扱いについては、現在、国が議論を始めたところでございます。今後、その議論を踏まえ、実情を把握するための方法や内容などについて研究してまいります。 次に、相談・治療体制の整備についてでございます。 まず、教員とスクールカウンセラーの研修についてでございますが、学校における相談体制を整備するためには、教員やスクールカウンセラーがネット依存・ゲーム障害を正しく理解することが大切です。今後は、教員やスクールカウンセラーの研修会などでもネット依存・ゲーム障害について取り上げ、正しい知識の普及とともに、その習得を図ってまいります。 また、予防キャンプについてでございますが、児童生徒を対象とした予防キャンプのプログラムを実施している自治体がございますので、その事例を把握して紹介してまいります。 次に、予防教育の推進についてでございます。 ネット依存・ゲーム障害を予防するためには、インターネットゲームの怖さなど負の側面を含めた視点での教育も必要です。新学習指導要領では、中学校の情報モラルの必要性に係る授業の中で、使い方次第でネット依存等の問題が発生する危険性があることを扱います。また、高等学校の授業では、情報化が社会に及ぼす影響と課題について生徒が主体的に考え、話合いを通して理解させる学習を行っております。さらに、家庭の果たすべき役割も大きいことから、保護者会や学校保健委員会のテーマとして、ネットやゲームの負の側面についても取り上げるなど、様々な機会を捉え、保護者も含めた周知を図ってまいります。 今後、これらの取組を通して児童生徒がネット依存・ゲーム障害にならないよう努めるとともに、必要に応じて医療機関につなげられるよう、関係者と連携してまいります。 次に、御質問四、教育局の障害者雇用と教員のわいせつ行為についてお答え申し上げます。 まず、志願者の増加に向けて更に工夫が必要でないかについてでございます。 県では、障害のある教員が生き生きと働く姿をホームページや受験案内に掲載したり、教員養成課程を有する大学等に職員が直接訪問して説明するなど、教員採用選考の志願者数の拡大に努めているところでございます。また、障害のある学生の積極的な受入れや学びやすい環境の整備について、教員養成課程を有する大学等に働き掛けを行ったり、国に対しても大学に働き掛けるよう要望を行っております。今後、障害のある教員をサポートする体制の構築など働きやすい環境づくりを進め、教員採用選考の志願者数の更なる拡大に向けて取り組んでまいります。 次に、障害のある方を雇用するに当たり、業務量ややりがいについてどのように考えているのかについてでございます。 障害者雇用においては、一人一人の障害の種類や程度のほか、スキルの習得状況、本人の希望・意欲などを十分に把握し、仕事や業務量とのマッチングを図ることが重要です。そのため、一人一人の状況を採用面接において十分に聞き取り、活躍できる場を見極めた上で配置するなど、やりがいを感じていただけるよう努めております。例えば、今年度新設した事務集約オフィスでは、これまで教育事務所の職員が担っていた小中学校教職員の旅費支給事務を集約し、障害のある職員が行うなどの工夫を行っております。加えて、必要に応じて業務をサポートする支援員を配置し、業務量の調整や進捗状況の管理、事務処理のフォローなど、障害のある職員が安定的に生き生きと仕事に取り組めるようサポートしております。 県といたしましては、障害のある方が担う仕事を限定的に考えるのではなく、それぞれが能力を十分に発揮し、やりがいを持って働ける環境の確保に引き続き努めてまいります。 次に、教員の採用選考に当たっては処分事由をしっかりと調べ上げ、この事由は生涯にわたり引き継がれるべきについてお答え申し上げます。 児童生徒に対して大きな権力を持つ教員が、その立場を利用して行うわいせつ行為は卑劣極まりないもので、こうした行為により懲戒免職処分となった者には、二度と教壇に立ってほしくありません。議員お話しのとおり、教育職員免許法の規定により、懲戒免職処分から三年を経過すると、教員免許を再び取得できることとされています。このため、採用選考に当たっては志願書に「賞罰の有無」を記載させるとともに、記述が真実である旨の自筆の署名をさせております。また、教職経験がある者からは、履歴書の写しを提出させ処分歴を確認するとともに、過去の教員免許失効情報との照合なども行っております。 懲戒処分については被害者保護の観点から公表しない自治体もあり、全ての処分事由を把握することは困難でございますが、できる限りの確認を行い、免職処分を受けた者が二度と教壇に立つことのないよう取り組んでまいります。 次に、わいせつ行為ができない環境を作り上げるなど、新たな取組についてでございます。 これまで、学校の準備室やトイレなどを常に整理整頓し死角を作らないようにするとともに、校内を見回りするよう指導しております。また、密室において一対一で生徒を指導することがないよう、複数での組織的な対応をするように指導しておりますが、徹底されていないケースも見られます。 そこで、県では、学校でより注意していれば防ぐことができた事例を基にビデオ教材を作成し、今年度中に使用を開始できるよう準備しているところです。 さらに、被害を受けた子供たちは、将来にわたり深い傷を負うこととなるため、性犯罪に巻き込まれないよう、性に関する正しい知識を身に付けるための指導の充実にも努めてまいります。 県といたしましては、あらゆる手段を尽くして、わいせつ行為の根絶に全力で取り組んでまいります。 次に、御質問五、スポーツ歯学を取り入れた競技力向上とマウスガードの普及についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、独立行政法人日本スポーツ振興センターの平成三十年度障害見舞金の給付状況では、歯の喪失などの歯牙障害によるものが一六・八七パーセントと三番目に多くなっております。体が成長し、技術が向上する時期にスポーツ活動を行う際、マウスガードを利用することは、けがの防止と競技力の向上に効果があると考えております。 このような状況の中、高等学校体育連盟に加盟しているボクシング、ラグビー、ホッケー、アイスホッケーの四競技では、公式大会出場の条件としてマウスガードの装着を義務付けております。また、大学やトップリーグのラグビーにおいてほとんどの選手がマウスガードを装着しているのは、高校時代の教員などの指導による影響があるとも伺っております。来年度、県の主催する養護教諭研修会においては歯科保健を扱うことが予定されており、その中でマウスガードについて取り上げることとなっております。今後ともこうした研修会を通して、マウスガードの有効性を周知してまいります。 次に、御質問六、外国人との共生のためにについてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、外国の子供たちに日本語の指導を行う際に、日本での生活ルールや道徳的な内容を扱うことは、日本語の能力向上に加え、将来、地域社会を支える人材の育成にもつながると考えております。また、そうした授業の内容を子供が保護者に伝えることで、日本の生活や道徳に対する保護者の理解を深める機会にもなると考えております。 現在、一部の学校では日本語の指導において、学校生活を行う上で大切な「時間を守って行動する」などの決まりを題材とした指導を行っております。また、道徳についても、県が中国語やスペイン語など四か国語に翻訳した教材「家庭用『彩の国の道徳』」を活用し、日本語と母国語を比較しながら学ばせている学校もございます。例えば「わたしのお父さん」という話には、消防団の一員として活動する父親の姿が描かれており、進んで公共のために働く態度を養うことにも資すると考えております。 加えて、国際交流員等が学校を訪問した際に、海外ではなじみのない宿泊を伴う行事や小学校の集団登下校について、外国人児童生徒の保護者から相談を受けてアドバイスを行っております。 今後、これまでの取組に加え、子供たちの日常生活や道徳と結び付けて行われる日本語指導の優良事例を広く周知するなど、指導の充実に努めてまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問三、ネット依存・ゲーム障害の対策についてのお尋ねのうち、相談窓口である保健所に人材を配置できるよう研修や専門人材を育成し、ネット依存・ゲーム障害についての対策を早急に進める考えはないかについてお答え申し上げます。 現在、県では、ネット依存やゲーム障害に関する相談は、アルコールやギャンブルなどと同様に依存症に対する相談として、県の十三の保健所や精神保健福祉センターにおいて対応しております。平成三十年度は十三の保健所においてネット依存とゲーム障害の合計で六十八件、精神保健福祉センターにおいては九十七件の相談を受けています。相談には、依存症の特性に精通した専門職である精神保健福祉士、保健師、公認心理師などが対応しております。 相談は家族からの電話から始まるケースが多く、そうした場合でも本人の来所を促し、面接では生活歴、ネットやゲームの過度な使用に至るまでの経緯、発達障害などの傾向などを確認し、支援方針を決めます。自らがそれまでのゲームへの依存やこだわりを修正し、ゲームに依存し過ぎない生活へと踏み出すことを助ける認知行動療法などの治療につなげております。 こうした中、国はゲーム依存症対策について関係者連絡会議を開催し、実態把握や対策の在り方について議論しております。また、ゲーム依存症の相談マニュアルや治療ガイドラインを作成するなど、ゲーム依存症対策を現在まとめているところであります。 こうした国の動きを踏まえ、保健所職員を対象とした研修にゲーム障害を盛り込み、ネット依存・ゲーム障害に対応できる、より専門性の高い職員の育成を進めるなど、対策を早急に進めてまいります。       〔小島康雄県民生活部長登壇〕
    ◎小島康雄県民生活部長 御質問五、スポーツ歯学を取り入れた競技力向上とマウスガードの普及についてのうち、歯科医師会などと連携したマウスガードの作製の補助を含めた支援についてお答え申し上げます。 スポーツを楽しむには、何よりもその安全性が確保されていなければなりません。例えば、ボクシングや空手などの競技では、安全性を考慮しマウスガードの装着が義務付けられております。議員お話しのラグビーやホッケーなどでも、中高生には装着が義務化されております。また、野球の打撃時やウエイトリフティングなど一瞬のうちに力をためたり発揮する競技では、マウスガードを装着することで選手のパフォーマンスが高まるという効果もあります。 これまで県では、マウスガードによる安全性の確保とパフォーマンスの向上という二つの効果について、指導者などに対し機会を捉えて周知してまいりました。例えば、運動能力の高い小学生を育成するプラチナキッズ事業では、その保護者に対してスポーツと歯の関係などについて説明してきたところでございます。 今後は、県スポーツ協会や県歯科医師会とも連携し、マウスガード装着の有効性と効果について、スポーツ選手やその指導者を含めた研修会などで一層の周知を図ってまいります。 議員お話しのマウスガード作製に対する補助については、補助金支出の効果や他のスポーツ用具との整合性などを踏まえながら、その必要性について研究してまいります。 次に、御質問六、外国人との共生のためにのうち、外国人に対して日本の制度をしっかり教えることが必要ではないかについてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、県内に居住する外国人が地域社会を支える存在となるためには、日本の文化や制度を理解していただくことが重要と考えております。 県では、外国人の方々が日本の文化や制度、地域のルールを理解できるよう、市町村と連携して多言語による情報提供などに取り組んでおります。例えば、日本で暮らす上で必要な在留管理制度や医療、防災などに関する情報を「外国人の生活ガイド」としてまとめ、八つの言語で情報提供しております。 また、外国人からの生活相談に多言語で対応している県内の市町村は十四市町でございます。県では、外国人総合相談センター埼玉を設置し、外国人からの生活相談や出入国管理などの専門相談に十一の言語で対応するとともに、市町村からの依頼による通訳も実施しております。また、県内約百四十のボランティア団体などでは、およそ二百か所の日本語教室を運営しており、日本語の学習支援だけでなく、身近な生活相談や料理教室などの交流イベントを実施しております。こうした日本語教室の多様な活動は、教室に参加する外国人が日本の文化や道徳を学ぶ良い機会になるとともに、外国人と日本人との相互理解が深まる効果も期待できます。 そこで、県では令和二年度から、日本語教室の人材の育成や日本語学習教材の作成など、新たな支援を開始することを考えております。県といたしましては、今後とも市町村やボランティア団体、地域住民と連携しながら、外国人が地域社会の一員としてその能力を発揮し、誰もが暮らしやすい多文化共生社会の実現に取り組んでまいります。       〔六十六番 須賀敬史議員登壇〕 ◆六十六番(須賀敬史議員) それでは、ネット依存・ゲーム障害の対策について、教育長に再質問させていただきます。 教育長は、「予防キャンプの事例などを紹介していく」とおっしゃいました。 予防キャンプというのは、もう既にネットとかゲームにある程度、依存などが始まっていて、重症化させないためにやるキャンプですので、例えば中高生とか全員が対象で、学校の行事として何かそういう訓練キャンプみたいなものをやるとかというものではありません。 あくまでも、もう既に困っている親たちの相談によって子供たちを集めて、例えば、やっているところで言うと、三十名ぐらいの小規模で、そこでお兄さん・お姉さん的な人たちがキャンプに一緒に参加して、ネットから切り離す期間を何日間か作って、その中で「ゲームやネット以外にも楽しく過ごせる時間があるんだよ」ということを教えるものですので、これをどこかに紹介してやってもらうというよりは県が主導して、医療機関が主催するのか、県が主催するのか、そこは分かりませんが、県が主導でやっていくものです。どこかに紹介して学校でやってもらうというものではないので、そこの認識をもう一度確認させてください。(拍手起こる) ○神尾高善議長 六十六番 須賀敬史議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 須賀敬史議員の御質問三、ネット依存・ゲーム障害の対策についての再質問にお答え申し上げます。 予防キャンプでございますが、今議員お話しのとおり、既にネット依存・ゲーム障害にかかっている子供たちなどを集めて実施しているもので、国の委託事業としても、例えば秋田県とか大分県などで行われているということを把握しております。そういった事例を学びながら、これは恐らく教育委員会だけでなく、保健医療部あるいは医療機関等も協力していただいて実施していくことになると思いますので、実施方法については工夫させていただきたいと思います。          ---------------- △各常任委員会の審査結果報告(文書) ○神尾高善議長 この際、報告をいたします。 各常任委員長から、審査結果についてそれぞれ報告書が提出されましたので、お手元に配布しておきましたから、御了承願います。          ---------------- △知事提出急施議案(第五十一号議案)の上程 ○神尾高善議長 本定例会に知事から提出された議案のうち、急施を要する第五十一号議案を議題といたします。          ---------------- △各常任委員長の審査経過報告(口頭) △企画財政委員長報告 ○神尾高善議長 これより、各常任委員長から審査の経過について順次報告を求めます。 美田宗亮 企画財政副委員長       〔美田宗亮企画財政副委員長登壇〕 ◆美田宗亮企画財政副委員長 企画財政委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。 本委員会に急施を要するとして付託されました案件は、第五十一号議案の一件であります。 以下、この議案に関して行われた主な論議について申し上げます。 「今回の補正予算額の約七割に当たる約百三億円については、県債を発行するとのことだが、これによる県債残高への影響を伺いたい」との質疑に対し、「県債については、財政規律に配慮し、緊急性・必要性の高い事業に重点化して活用している。今回の約三億円の県債は、後年度の元利償還金が全額交付税措置の対象となり、実質的な県負担はゼロとなっている。今回の県債発行により、令和元年度末の県債残高は、対前年度末比で十九億円増の三兆八千二百三十五億円となる見込みであるが、いわゆる県で発行をコントロールすることができる県債残高は一兆九千三百四十二億円となり、対前年度末比で二百五十億円の減少となる見込みである」との答弁がありました。 以上のような審査経過を踏まえ、本議案について採決いたしましたところ、総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。 すみません。訂正させていただきます。 「今回の約三億円の県債は」と申し上げましたところ、実際は「今回の約百三億円の県債は」であります。訂正させていただきます。(拍手起こる)          ---------------- △環境農林委員長報告 ○神尾高善議長 萩原一寿 環境農林副委員長       〔萩原一寿環境農林副委員長登壇〕 ◆萩原一寿環境農林副委員長 環境農林委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。 本委員会に急施を要するとして付託されました案件は、第五十一号議案のうち、農林部関係の一件であります。 以下、この議案に関して行われた論議について申し上げます。 まず、「補正予算案に計上された三つの事業について、候補箇所はどれだけあり、どのように選んだのか」との質疑に対し、「ほ場整備事業と農地防災事業については、国補正の対象事業を実施している九地区のうち、地元負担等について地元の了解を得られた三地区を選定した。防災減災緊急対策事業については、市町村が事業主体であるが、事業対象の二十市町村のうち、要望のあった七市町七地区を選定した」との答弁がありました。 次に、「防災減災緊急対策事業の発注方法について伺いたい」との質疑に対し、「今回のため池の詳細調査は市町村が事業主体のため、発注方法は市町村の考え方による。しかし、県が事業主体の場合は、地元業者の受注機会を増やすため、可能なものは分割発注等をしていることから、この趣旨を参考とするよう市町村に周知している」との答弁がありました。 以上のような審査経過を踏まえ、本議案について採決いたしましたところ、総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。(拍手起こる)          ----------------県土都市整備委員長報告 ○神尾高善議長 権守幸男 県土都市整備副委員長       〔権守幸男県土都市整備副委員長登壇〕 ◆権守幸男県土都市整備副委員長 県土都市整備委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。 本委員会に急施を要するとして付託されました案件は、第五十一号議案のうち、県土整備部関係及び都市整備部関係の一件であります。 以下、この議案に関して行われた主な論議について申し上げます。 まず、県土整備部関係では、「今回の補正予算では、河川、道路それぞれでどのような事業が計上されているのか」との質疑に対し、「十二月五日に閣議決定された『安心と成長の未来を拓く総合経済対策』の中の『災害からの復旧・復興と安全・安心の確保』に該当する事業として、河川砂防事業及び道路事業を計上している。河川砂防事業は四点あり、『氾濫発生の危険性が高い地域における河道掘削・堤防強化等による洪水対策』『水害・土砂災害被災地域における再度災害防止対策の集中的実施』『水害・土砂災害リスク情報の提供や防災情報のアクセス集中対策』『改良復旧を積極的に活用した災害復旧事業』について計上している。同様に、道路事業は四点あり、『市街地の緊急輸送道路等における無電柱化』『災害時にも地域の輸送等を支える道路のミッシングリンク等の整備』『道路インフラの老朽化対策』『未就学児等の交通安全緊急対策』について計上している。また、『未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上』に該当する道路事業として、『農林水産業等の成長産業化・輸出産業化のための道路・港湾が連携したインフラ整備』を計上している」との答弁がありました。 次に、都市整備部関係では、「区画整理と公園について補正予算を計上しているが、事業箇所を選定した理由と事業内容について伺いたい」との質疑に対し、「区画整理については、今年度、県が補助している五つの区画整理組合と調整した結果、国の採択要件を満たすとともに、市の予算措置を含め、追加執行可能な箇所として上尾市大谷北部第四地区を選定した。事業内容は、幹線道路である小敷谷向山線の約三百メートルの舗装整備や地区南西部の区画街路など、合計約一千七百メートルの舗装整備を行うものである。公園については、交付金を活用し、拡張整備している権現堂公園とさきたま古墳公園のうち、早期効果の発現が見込める権現堂公園を選定した。事業内容は、約一・五キロメートルの園路整備を行うものである」との答弁がありました。 以上のような審査経過を踏まえ、本議案について採決いたしましたところ、総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。(拍手起こる)          ---------------- △休憩の宣告 ○神尾高善議長 暫時、休憩いたします。午前十一時十四分休憩          ----------------午後一時三分再開 出席議員    九十名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十八番  八十九番   九十番  九十一番   九十二番  九十三番 欠席議員    三名    十五番  四十三番  七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○新井豪副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○新井豪副議長 質疑質問を続行いたします。 三番 平松大佑議員       〔三番 平松大佑議員登壇〕(拍手起こる) ◆三番(平松大佑議員) 無所属県民会議の平松大佑でございます。議長より許可をいただきましたので、通告に基づき質問を行います。 まず初めに、一、戦略的なベンチャー育成をについて、知事にお伺いします。 現在、県では企業誘致に力を入れていますが、創業支援も重要であります。既にベンチャー支援については様々な事業が実施されていますが、更に戦略的に力を入れて進めていく必要があると考えます。革新的な技術やアイデアで新しいビジネスモデルを作り、新しいマーケットを開拓していく、そのようなベンチャーが本県に増えることで経済が活性化し、本県の稼ぐ力の向上にも大きく貢献すると考えます。また、Society5・0時代のパートナーとして活躍してもらえるようなベンチャー企業を戦略的に育成していくべきと考えます。 国としても、スタートアップの支援に力を入れているところです。閣議決定された成長戦略「未来投資戦略」では、二〇二三年までに「企業価値又は時価総額が十億ドル以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)又は上場ベンチャー企業」を二十社創出することを掲げています。県としても、官民で徹底的に支援していくべきと考えますが、いかがでしょうか。ベンチャー支援に当たっては、ベンチャーを正当に評価できる団体などにパートナーとしてともに取り組んでいただくべきと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 また、私は、ベンチャー支援を効果的なものにするために、ベンチャー育成戦略を策定するべきだと考えます。戦略の策定に当たっては、まずは本県のベンチャー企業数の把握や、現在の各種支援の在り方がどうなのかといった現状をしっかりと押さえることが重要です。その上で、埼玉県で起業したいと思える近隣都県にはない本県独自のメリットづくり、他都県に勝つための差別化戦略が必要です。 併せて、埼玉県主催のアントレプレナー大会の実施や県内スタートアップを成長させるためのメンタリング、セミナー、ワークショップ、マッチング、資金提供及びコミュニティ形成等のコンサルティング支援の実施など積極的な取組を行うとともに、起業家の創出拠点とベンチャー企業の成長促進拠点の創設が必要です。そういった取組を進める中で、先輩起業家がスタートアップを支援するようなエコシステムを埼玉でも作り出すことが重要です。 また、埼玉県の特性に合ったベンチャー育成という考え方も必要です。例えば、物流にICTなど最新技術を生かす物流テックの育成などは、ニーズも高いはずです。これらの取組を計画的に進めるために、県としてベンチャー育成戦略を策定すべきだと考えます。戦略については、目標を達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標(KPI)を可能な限り設定し、結果を出していくべきと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 次に、二、埼玉版スーパーシティプロジェクトについて、知事に六点お伺いします。 一点目です。現在、コンパクシティを核として、AI、ⅠoT、5Gなどの新技術を活用した強じん性の高いまちづくりを目指す埼玉版スーパーシティプロジェクトを進めているところです。県として、スーパー・シティを推進していくことには賛成です。一方で、国としても二〇三〇年目標のスーパーシティ構想を昨年より進めており、重なる部分も多々あります。国との違いは何かを明確にしていかないと、市町村からの理解は得られないと考えます。いかがお考えでしょうか。 二点目です。本プロジェクトは基本的に手挙げ方式で進めていくものですが、手挙げ方式だと県が主導で進めるものとは違い、プロジェクトの進展が市町村の判断に依存してしまいます。この点はどのように解決していくのでしょうか。 三点目です。このプロジェクトがその地域の方々の生活に大きな影響を与えていくことを考えると、地域の方々がいかに主体的に当事者として関わってくださるかどうかがポイントになります。県民主体の仕組みづくりをどのように構築していくのでしょうか。 四点目です。既存のエリアをどう変えていくのか、ビッグデータを生かしてどうまちづくりを進めていくのか。それらを県内の各市町村という「点」で終わらせず、いかに県全体へ「面」となるように推し広げていくのかが重要です。知事も、どの地域も取り残すことのない社会を実現したいとお考えです。県全体へ「面」となるように押し広げるために、どのような取組を行っていくのでしょうか。 五点目です。超スマート社会を実現していくためには、データアナリティクスができる人材が必要です。地域課題をICTで解決するため、プロジェクトに必要なICT人材の育成を行うべきではないでしょうか。このプロジェクトを進めるに当たっては、庁内の人材を育成していくということも重要ですし、また、ただでさえデータサイエンティストが不足するとの予測がある状況下で、県としてこのプロジェクトを進めていくためには、独自にICT人材の育成に力を入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 六点目です。プロジェクトを成功させるためには、推進するエンジンに民間企業にも入っていただき、パートナーシップでともに進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 以上六点、答弁を求めます。 続いて、三、頻発する風水害への備えをについて、知事にお伺いします。 台風や豪雨による被害が常態化する時代に突入しました。台風や豪雨に対する事前の備えを促進することは、県民の生命と財産を守るために重要であります。今定例会における知事提案説明の中でも、「命と財産を守る体制を見直し、不測の事態にも迅速かつ的確に対応していく万全の備えを着実に進めます」とのお話がありました。私は、その中でも特に、大規模停電にならないような取組、停電からの早期復旧ができるような体制づくり、長期停電時でも電力が確保できるような取組が重要だと考えます。 昨年の令和元年房総半島台風や令和元年東日本台風では、多くの自治体で停電による問題が発生しました。さらに、倒木による停電への対応も、東京電力との間で後れを取り、復旧まで多くの時間を要しました。倒木による停電への対応について早急に協定を締結すべきと考えますが、進捗状況をお伺いします。 埼玉版スーパーシティプロジェクトの中にもレジリエントが大きな柱となり、「災害時のエネルギー確保など強靱性の高いまちづくりが必要」とうたわれています。しかし、私は、埼玉版スーパーシティプロジェクトに手挙げをした自治体だけではなく、全県的な取組が必要な課題と考えます。長期の大規模停電に備え、県民総ぐるみで電源を確保していくことが必要です。既に太陽光発電など分散型発電について取組を進めていますが、これらの取組を災害時を念頭に再検証すべきではないでしょうか。県民、企業、公共部門と三者それぞれが、正に総ぐるみで電力確保のための取組を進めていくことが重要だと考えます。 既に様々な事業はありますが、大規模停電時に各御家庭でも電力を確保できるような取組にインセンティブが働く仕組みづくり、企業に対しては蓄電池やEVの導入を支援したり、公民館や学校等に発電設備、蓄電池の整備が必要ではないでしょうか。答弁を求めます。 続いて、四、EdTech推進について、大きく四点、教育長へ伺います。 EdTechとは、EducationとTechnologyを組み合わせた造語で、AI等の進歩し続けるテクノロジーによって、教育に変革を起こす取組のことです。 それでは、(一)EdTech推進方針の策定についてお聞きします。国の方針にとらわれることなく、県としての方針を作成し、世界トップ水準を目指した取組を進めてはどうかという質問です。 現在、日本の教育情報化は世界から取り残されています。生活で当たり前となっているスマートフォンが学びに生かせていないなど、日常生活と学校との情報格差が拡大している状況です。しかしながら、本来は学校が格差是正のセーフティネットとしての役割を果たすべきであると考えます。PISAの調査では、日本の読解力の項目の点数が下がっています。コンピュータを使用した回答方法が影響したと言われています。また、様々なデータからも、学校でのICTの利活用がOECD諸国の中で桁違いに遅れている状況が明らかになっています。予測不可能なこれからの時代の職能には、ICTは不可欠と考えます。 また、新しい学習指導要領でも、日常的ICT活用が強調されています。ICTを活用して、ギフテッド、障害児、不登校、学び直しなど様々な状況にある子供たちのサポートができるように、そして子供たちの個性を伸ばせるように、ICTを活用して個別最適化をどう実現していくのか。そして、子供たちにAIを活用できる能力、AIでは代替できない能力を身に付けてもらうために何ができるのかを考えていかなければいけません。国は混乱しているようですが、それにとらわれることなく、県として方針策定を行う必要があると考えます。 ICT環境整備は手段であり、一番大きな目的は、変化の大きなこれからの時代を生き抜いていく、リードしていく人材の育成であります。小学校、中学校、高校等の各主体がベクトルをそろえて取り組んでいくためにも、明確な目標が必要です。 併せて、EdTechをしっかりと活用できる教員などICT人材の育成、民間企業も入れての推進体制を構築すべきです。県として、当面に対応できる短期的な指針や、これからの時代を生き抜く力を身に付けてもらうための中長期的な目標を定めたEdTech推進方針を策定するべきではないでしょうか、答弁を求めます。 (二)県内市町村の小学校・中学校、県立学校の校内ネットワークの整備についてお伺いします。 国としてGIGAスクール構想を進めているところですが、現在の制度を活用して、このタイミングで全校でネットワーク環境の構築をすべきと考えます。県としても、各小中学校、県立学校のネットワーク環境が一律になるように一生懸命に取り組んでいるところですが、それがしっかりと結果に結び付くようにしていただきたいと考えます。一〇〇パーセントの整備となるようにすべきですが、どのように取り組んでいくのでしょうか、答弁を求めます。 (三)県内市町村の小学校・中学校の端末整備計画についてお伺いします。 一人一台に向けた各市町村の計画ですが、全ての市町村が策定し、県として、県内の小中学校で一人一台の環境整備が必ず実現できるよう取組を進めるべきではないでしょうか、答弁を求めます。 (四)県立学校での端末の整備についてお伺いします。 県立学校での端末整備については、次年度でBYOD等の検証を進めるとのことでした。混乱のないように時間をかけて進めていくという考え方も理解できなくもないですが、当事者である子供たちにとっては、待ったなしの話です。BYODなど早期に検証し、端末整備を進めるべきです。 さらに、整備に当たっては、小中学校でのICT環境と同じ環境を継続できるようにしなければなりません。高校等に進学したらICT環境が後退しているようでは、本末転倒です。また、生活困窮世帯等への配慮も必要と考えますが、どのように進めていくのでしょうか、答弁を求めます。 次に、五、子供の貧困対策について、福祉部長にお伺いします。 御存じのとおり、現在、日本では七人に一人の子供が貧困状態にあります。これは先進国で最低レベルです。子供の貧困対策を進めるため、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が二〇一四年一月に施行されました。また、法律に基づき「子どもの貧困対策に関する大綱」が策定されています。この大綱には貧困の連鎖を防ぐことがうたわれています。貧困家庭の子供は、再び貧困に陥る可能性が高い状況にあります。この貧困の連鎖を断ち切るのは、行政の役割です。現在、本県では、子供の貧困対策として子供の居場所づくりに力を入れているところです。子供の居場所づくりを実効性あるものにするためにも、今まで以上に市町村が積極的に子供の支援に取り組んでいる団体とつながる必要があると考えます。 また、県内市町村で「子どもの貧困対策に関する計画」を作っているところは少なく、市町村ごとに取組に濃淡がある状況です。貧困状態にある子供たちを救うために市町村や地域の支援団体の連携を強化し、市町村を巻き込んだ会議体で各地域の特性に合った取組を実施していただきたいと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 次に、ジュニア・アスポート事業の今後についてです。 県が三か年のモデル事業として実施しているわけですが、それぞれの市も厳しい財政状況の中、県のモデル事業が終わった後に市が本事業を継続するかどうか、心配なところです。学びの貧困が、貧困の連鎖の大きな原因にもなっています。こちらの事業が後退することのないようにすべきと考えます。 また、県として様々な取組を進めているところですが、現状の支援の中で、いまだ多くの子供たちが貧困状態にあります。平成三十年度には埼玉県立大学の協力の下、県として、子供が貧困状態にある家庭についての実態調査と分析を実施されました。本県の子供の貧困の実態を把握されているわけであります。その実態を受け、肝腎な経済的貧困そのものを低減・緩和させる更なる取組について検討していく必要があると考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 続いて、六、スマート県庁の推進について、企画財政部長にお伺いします。 これからの社会は、AI、ビッグデータ、ⅠoT、ロボティクス等の先端技術が高度化して、あらゆる産業や社会生活に取り入れられ、社会の在り方そのものが非連続的と言えるほど、劇的に変わってきます。超スマート社会とも言われるSociety5・0の到来に伴い創出されるであろう新たなサービスやビジネスによって、我々の生活は劇的に変化していきます。私は、この時代をリードする県庁であってほしいと考えます。 小島議員も先日取り上げられましたが、スマート県庁を進める上でICT人材育成、専門人材の確保が必要です。特にエンジニア職など、ICTに関する新たな専門職の採用が必須だと思います。例えば、県独自にアプリを開発するにしても、少ないコストでいかにコンテンツを充実させていくかなど費用対効果を高めるためには、発注側に更なる知識が必要です。また、現状にキャッチアップするだけでなく、ICT利活用をリードできるような全庁的な更なるICT人材育成が必要と考えます。 さきの定例会の武内議員への答弁の中で、「技術の進歩が非常に速く、それに対応していけるか課題がある」という答弁もありましたが、それはどの分野においても、また民間企業においても同じことが言えると考えます。eラーニング等を活用して技術を磨いていけばよいのです。 併せて、ICT活用が更に進展する中で、内製化できる部分は内製化していくことが大切です。専門職の採用、ICT人材育成の取組を進めるべきと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 続いて、七、NPOの戦略的育成について、県民生活部長にお伺いします。 現在、県内でも多くのNPOが子育て支援や高齢者、障害者の生活支援等を実施されています。県民のニーズはますます多様化しており、社会や地域の課題を解決していくためには、今まで以上にNPOと行政が協働していく必要があると考えます。行政とは異なるノウハウを持つNPOと協働することで、更に事業の成果が上がると考えます。 そこで、県民生活部長に二点お伺いします。 まずは、NPOをなりわいとして成立させるようにしなくてはいけないと考えます。そのためにもNPOの現状がどのようになっているのか、実態調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、行政のパートナーとして様々なことを担っていただける団体を今まで以上に増やしていくため、NPOを戦略的に育成していくべきだと考えます。NPOを育てるためには、行政からの委託事業も重要です。こういったことも、今まで以上に取組を進めるべきと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 続いて、八、大江戸線延伸について、企画財政部長にお伺いします。 本件は、さきの定例会でも岡田議員が取り上げられたところです。平成二十八年四月二十日に国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会により、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申が示されました。前回の答申では、路線ごとに優先順位が示されていました。しかし、今回の答申では前回のような順位付けは行わず、関係地方公共団体や鉄道事業者等の主体的な取組を重視したものとなっています。すなわち、各主体の努力次第で延伸を勝ち取ることができるということです。 この答申の中で、地下鉄一二号線の延伸については、東京圏の都市鉄道が目指すべき姿を実現する上で意義のあるプロジェクトの一つとして位置付けられました。また、光が丘から東所沢までの一体整備の記述が盛り込まれているなど、新座市への延伸及び東所沢への結節に向けて、前回の答申から大きく前進した内容となっています。その答申の中には、課題として以下のようなことが示されています。 「大泉学園町から東所沢までの延伸については、事業性に課題があり、事業性の確保に必要な沿線開発の取組等を進めること」「光が丘から東所沢までの延伸(一体整備)については、東京都と埼玉県に跨がる路線であるため、事業主体を含めた事業計画について検討すること」とあります。課題である事業主体についてどのようにお考えでしょうか。考えを早急にまとめ、都との交渉を進めていくべきと考えますが、お考えと今後の取組についてお聞きします。 また、同じく課題である沿線開発の取組については、県がしっかりとイニシアティブをとって進めていかなければいけないと考えます。関係自治体の認識、熟度の差を埋めるとともに、今まで以上に県が関係自治体に主体的な取組を促し、延伸に向けた土台づくりをスピード感を持って進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 東京都において事業の検討が進んでいる中、本県としても都、関係自治体と連携し、延伸を確実なものとするために取組を前へと進めるべきと考えます。あえて、あと数マイルプロジェクトという形で延伸に向けた取組を実施していくわけですから、今まで以上に強力に延伸を推進すべきです。答弁を求めます。 続いて、九、地元問題についてであります。 (一)保谷朝霞線について、県土整備部長にお伺いします。 都市計画道路調布保谷線の受皿である保谷朝霞線が計画されています。昨年には都市計画変更素案説明会も開催されたところです。調布保谷線については全線が開通し、その影響として周辺の生活道路が抜け道として使われ、地元の住民の皆様から問合せや相談をいただいているところです。近隣の方々も本事業に大変関心があるところですが、現在の進捗状況はいかがでしょうか。また、事業に当たっては丁寧に関係住民の声を聞きながら進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、災害対策の面からも無電柱化を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 併せて、新たにできる交差点での交通の円滑化についても、しっかりと配慮されるべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、四点お伺いします。 (二)栗原交差点改良工事について、県土整備部長にお伺いします。 県道練馬所沢線と県道保谷志木線との交差点である栗原交差点の改良工事についてであります。本事業は平成八年から始まった事業で、早々に御理解いただき、拡幅のための土地買収に御協力いただいた方々もいらっしゃいますが、残念ながら様々な理由の中で事業は思うように進んでおりません。 地域の方々のお話をお聞きしていると、地権者の方の中には正確な情報が伝わっていない方も見受けられます。地権者の方への丁寧な説明も含め交渉を進め、県の責任で早急に完成させるべきと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。 (三)柳瀬川幹線の満管状態に起因する汚水の大規模な溢水被害について、下水道事業管理者にお伺いします。 二年前より、豪雨時には県流域下水道の柳瀬川幹線が満管状態になるため、新座市内の公共下水道からの汚水が流入できず、汚水の大規模な溢水被害が発生するようになりました。そして、二年前に続き昨年の台風の際にも、大規模な溢水被害が発生しました。どうしてこのような事態が発生しているのか、定量的に把握し、分析し、再発防止を図る必要があると考えます。 また、本件は、雨天時浸入水によるものが大きな理由として考えられるため、雨天時浸入水の原因把握を急ぎ、関係自治体に早急な対応を求める必要があると考えます。抜本的解決にはある程度の時間もかかると考えます。まずは、スピード感を持って即効性のある対策に当たってほしいと考えますが、いかがでしょうか。 続いて、(四)県道さいたま東村山線の歩道整備について、県土整備部長にお伺いします。 現在、県道さいたま東村山線については、東京都清瀬市以北から国道二五四号までの拡幅事業を実施しております。その更に以北についても、歩道拡幅の実施、交差点改良を実施すべきと考えます。 しかしながら、すぐの実施が難しければ、現状の幅員の中でどのように歩道としての安全性を高める改善ができるか、現状を総点検し、改善策を実施する必要があると考えます。既に車の出入りがなくなっているのにまだ歩道が斜めになっているところ、グレーチングの形状からハイヒール等がはまってしまう可能性がある場所、また当該県道の歩道は、歩行者が側溝の上を歩く場合が多いので、側溝の蓋の取替えなどで改善が図れる場所もあるはずです。実際に連続する側溝の段差が大きい箇所、排水の関係かと思いますが、アスファルト路面と側溝の高低差が大きい場所などが見受けられます。総点検し、今できる改善を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上で質問を終わります。(拍手起こる) ○新井豪副議長 三番 平松大佑議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 平松大佑議員の御質問に順次お答えいたします。 まず、戦略的なベンチャー育成をのお尋ねのうち、ベンチャー企業を官民で徹底的に支援していくことについてでございます。 新技術や革新的なビジネスモデルで新事業の創出に挑戦するベンチャー企業は、産業のイノベーションや持続的な経済成長に不可欠な存在です。渋沢栄一翁は、「民の力を強くしなければ世の中の繁栄はない」という信念の下、生涯で五百社とも言われる企業の設立に関わるなど、日本の経済発展に大きく貢献する企業を多数生み出しました。こうした渋沢翁の信念を現代に再現するため、新事業の創出や大きな成長を目指すベンチャー企業を支援する渋沢栄一創業プロジェクトを立ち上げるための予算を今定例会に提案させていただいております。令和二年度は、ベンチャー企業に寄り添った伴走型の支援事業を行うとともに、ベンチャー企業や様々な業種の交流ができる場の創出に向けた検討を行います。県内経済団体や起業家団体、金融機関などと連携してこのプロジェクトを推進することにより、ベンチャー企業に対して官民挙げて支援を行ってまいります。 次に、ベンチャー支援に当たり、ベンチャーを正当に評価できる団体などにパートナーとしてともに取り組んでいただくことについてでございます。 革新的なビジネスモデルやサービスを展開するベンチャー企業に対し、県などの公的機関が目利きをすることには、おのずと限界があります。そのため、事業の成長可能性などを見極め、ベンチャー企業の実力を正当に評価できる民間企業との連携が必要と考えております。渋沢栄一創業プロジェクトで実施する伴走型のベンチャー企業支援でも、このような専門的な企業にアクセラレータとして参画いただき、その知見を活用してまいります。 次に、ベンチャー支援を進めるため、ベンチャー育成戦略を立て、定量的な指標を設定して結果を出していくことについてでございます。 私は、ベンチャー企業を育成していくためには、県内企業などとの連携を深め、ビジネスマッチングの機会を増やしていくことが不可欠であり、量よりもきめ細かな質を求めていくことが重要と考えています。このため令和二年度は、学識経験者やベンチャー企業経営者などベンチャー企業支援に知見のある有識者による会議を設置し、企業同士の交流の場の在り方について検討いたします。この会議では、県内のベンチャー企業数や業種、本県の特性や今後伸びそうな分野について分析した結果を踏まえ、交流の場を活用した今後の支援策についても議論していただきます。会議の議論を踏まえ、予算の提案をさせていただいている渋沢栄一創業プロジェクトを活用しながら、戦略の策定についても検討させていただきます。 次に、埼玉版スーパーシティプロジェクトについてのお尋ねのうち、国が進めるスーパーシティ構想との違いは何かについてでございます。 埼玉版スーパーシティプロジェクトは、エネルギーをインセンティブの一つとしたコンパクトシティの取組を通じて、超スマートで強じん性の高いまちづくりを進めるものであります。国のスーパーシティ構想では、AI、ⅠoTなどの新技術を集め、自動走行や遠隔医療など、生活全般にわたり「まるごと未来都市」をつくる点が強調されております。スマートな新技術を活用する点は同じですが、本県のプロジェクトはコンパクシティの取組を核として、超少子高齢社会における高齢者の見守りや労働力の不足など中長期的な様々な課題に対応し、持続可能な社会を構築していく点が異なると考えています。 次に、手挙げ方式だと市町村の判断に依存してしまう点をどのように解決していくかについてでございます。 県として、プロジェクトの基本的な考え方を明確にして市町村に示すことは、必要不可欠であると考えます。また、各市町村からどのようなまちづくりをしたいのか、その考えを伺うことも大変重要です。この市町村の考えを踏まえ、県は福祉や保健、医療、産業、雇用など様々な分野で、市町村の役に立つメニューの提示や専門家の派遣などを行います。市町村と県のいずれか一方に偏ることなく、協働作業で超少子高齢社会に向けたまちづくりを行ってまいります。 次に、県民主体の仕組みづくりを構築することについてでございます。 議員が御指摘のとおり、まちづくりには地域住民が参加して、その意見を反映していくことが大切だと思います。市町村が目指すスーパー・シティの街区を住民の皆様がイメージし、実現に向けて積極的に関与いただけるよう、県と市町村が分かりやすく例示していくことを考えております。 次に、各市町村の「点」で終わらせず、県全体へ「面」となるよう押し広げるために、どのような取組を行っていくのかについてでございます。 埼玉版スーパーシティプロジェクトは、まずスマートで災害に強く、コンパクトなまちを街区レベルでリーディング的につくっていくことを考えております。具体的なまちの姿は地域特性により異なりますが、このプロジェクトによって超少子高齢社会の課題に対応しようという思いは、共通であると考えています。それぞれのリーディング街区をつくっていく際に得られた発想や知見を広く発信・共有し、県全体に拡大できるよう努めてまいります。 次に、庁内を含め、プロジェクトに必要なICT人材を独自に育成することについてでございます。 来るSociety5・0社会では、ⅠoTなどの新技術により、膨大な量と質のビッグデータが発生、収集できることになります。この多種多様なビッグデータを活用し、革新的なサービスやビジネスモデルの創出、業務の効率化や行政課題の解決につなげていくには、これを分析する、いわゆるアナリティクスができる人材が必要となります。現在、このような人材の不足が全国的にも課題であると指摘されているところであります。プロジェクトの推進に当たっては、ICT分野に精通した関係業界の技術とノウハウを広く活用するとともに、連携を強化して人材育成につなげてまいります。 次に、プロジェクトを推進するエンジンに民間企業に入ってもらい、パートナーシップでともに進めていくことについてでございます。 このプロジェクトでは、土地の開発・整備はもとより、福祉や医療、エネルギーや商業サービス、防災など、様々な分野で技術やノウハウを有する民間事業者との連携が不可欠なことは、議員御指摘のとおりでございます。県としては、民間事業者の投資意欲を高め、このプロジェクトへ参画したいと考えていただけるようにすることが、大きな鍵となります。市町村がプロジェクトを構想する段階から民間事業者とのマッチングを進めるなど、「官の信用」と「民の活力」を最大限生かせるよう工夫してまいります。 最後に、頻発する風水害への備えをのお尋ねのうち、倒木による停電への対応についてでございます。 令和元年房総半島台風では、千葉県内の広い範囲で、被害を受けた電力設備の復旧作業が多数の倒木除去により難航し、長期間にわたり電気の供給がストップいたしました。この教訓を受け、本県では東京電力との間で、倒木の処理など電力設備の早期復旧に向けた協定締結について協議を進めているところであります。現在、詳細を詰めている段階であり、令和二年四月中には締結の見込みであります。また、協定が実効性のあるものになるよう、県の関係部局と東京電力で災害発生時の初動対応のシナリオづくりを進めるため、この三月から図上検討会を開始いたします。 次に、県民総ぐるみで電源を確保していく取組についてでございます。 まず、家庭への取組については、再生可能エネルギーの活用を広めるため、戸建て住宅への蓄電池の設置に対して補助を行っています。平成二十六年度から令和元年度までで三千七十戸の住宅に補助を行いました。引き続き補助事業を通じ、住宅への蓄電池の設置を促進してまいります。 企業への取組としては、現在、CO2削減の観点から太陽光発電設備の導入への補助を行っています。これは分散型電源の導入にもなりますので、引き続き補助を通じて災害時のリスク低減に努めてまいります。 学校での発電設備や蓄電池の整備については、平成三十一年四月現在で、避難所となる公立学校における非常用発電機などを保有する割合が七二・三パーセントであり、全国平均六〇・九パーセントを上回っている状況にあります。災害発生時に避難所となる学校や公民館などの公共施設での発電機等の設置に対して国による補助制度もありますので、市町村に対し活用を促してまいります。 さらに、本年一月には電気自動車を避難所の夜間の照明などの電源として活用できるよう、自動車会社と県として協定を締結したところでございます。 なお、埼玉版スーパーシティプロジェクトでは、市町村と連携し、コンパクトなまちの中に分散型電源として太陽光発電や蓄電池などで得られたエネルギーを共有して、強じんなまちをつくっていくことを考えております。これによって、災害時にも停電がなく、共助が成立するまちをつくり上げていくことができると考えています。 大規模停電の長期化は、県民生活や経済活動に極めて深刻な影響をもたらしますので、議員お話しのとおり、県民、企業、公共部門による総ぐるみの取組が進むよう努めてまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問四、EdTech推進についてお答え申し上げます。 まず、(一)EdTech推進方針の策定についてでございます。 EdTechは、教育におけるICT等の新しいテクノロジーを活用した手法であり、これを活用することはSociety5・0時代に必要な資質・能力を育むために効果的であると認識しております。議員お話しのEdTechを含め教育の情報化が急速に進む中にあっては、ICT環境の整備のみならず、人材育成や教育指導を含めた広い視野に立った計画が必要だと考えております。現時点で、国の学校教育情報化推進計画は策定されておりませんが、本県では先行して教育局内に組織を立ち上げ、ICT環境の整備方針や授業での活用方法などの検討を進めております。今後、国の計画が策定され次第、速やかにEdTechの活用を含めた本県の学校教育情報化推進計画の策定を行います。 次に、(二)県内市町村の小学校・中学校、県立学校の校内ネットワークの整備についてでございます。 今回の国のGIGAスクール構想では、例えば動画を使った観察、実験といったICTを用いた新たな学びを実現することが目的とされており、そのために高速大容量通信に対応した学校のネットワーク環境整備が必須だと考えております。 県といたしましては、今回のGIGAスクール構想の機を捉え、整備状況に課題のある市町村を直接訪問し、教育長などから現状や課題を丁寧に聴取するなど、各市町村のネットワーク環境整備を強力に促しております。今後とも、各市町村において必要なICT環境が整備されるよう積極的に取り組んでまいります。また、県立学校においても、高速大容量通信に対応したネットワーク環境を整備できるよう、予算案に必要な経費を計上しております。 これにより、将来的に児童生徒が一人一台の端末を活用する場合においても、十分に活用できる環境を整えられると考えております。 次に、(三)県内市町村の小学校・中学校の端末整備計画についてでございます。 各市町村が一人一台端末の環境を整備する上では、計画的に整備を進めることが大変重要だと考えております。GIGAスクール構想の端末に係る補助金の申請に当たっては、市町村は一人一台の端末配備計画の提出が求められております。県といたしましては、この計画を基に市町村の状況を適切に把握し、計画的な整備が進むよう支援してまいります。 次に、(四)県立学校での端末の整備についてでございます。 議員御指摘のとおり、県立学校においても小中学校のICT環境と同様に、一人一台の環境整備が必要であると考えております。そこで、特別支援学校の小中学部については、小中学校と同様に一人一台の端末を計画的に整備できるよう、予算案に国の補助金等を活用した必要な経費を計上しております。 一方、県立高校及び特別支援学校の高等部については、国の補助金がないため県の予算で生徒全員分の端末を整備する場合には、財政面で大きな負担がございます。そのため、県立高校においては生徒所有の端末を授業で使用する、いわゆるBYODによる端末整備の検討を進めており、モデル校においてその実証のための予算を計上しているところです。 来年度、端末を用意できない生徒への対応などの課題を含めて実証を行い、その成果を基にスピード感を持って県立学校における児童生徒一人一台環境の実現を目指してまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問五、子供の貧困対策についてお答え申し上げます。 まず、市町村を巻き込んだ会議体で各地域の特性に合った取組を実施することについてでございます。 市町村の子供の居場所づくりに対する意識には温度差があり、団体からは「市町村に活動の必要性が理解されず、連携が進まない」との声が寄せられています。そこで県では、市長会や町村会、市町村教育長の会議などの場を通じて、子供の居場所づくりや子供の貧困対策計画策定の意義、効果についてお伝えしています。 また、県は平成三十年十二月に、個人や企業、全ての市町村が加入する「こども応援ネットワーク埼玉」を立ち上げました。このネットワークでは、市町村を含む官民連携の体制づくりや、子供の居場所づくりに取り組む方と食材や場所の提供者とのマッチングに取り組んできました。 今後は、市町村職員を対象に、子供の貧困対策計画の策定や地域資源を活用した市町村におけるネットワークづくりに関する研修会を新たに実施し、各地域に応じた取組が活発に展開されるよう支援してまいります。 次に、経済的貧困そのものを低減・緩和させる取組を更に進める必要についてでございます。 ジュニア・アスポート事業については、子供たちの生きる力を育み、貧困の連鎖解消に有効であると考えております。モデル事業終了後も学習ボランティアや地域団体との連携などについて、市に対し引き続き支援を行ってまいります。 また、議員お話しの県が実施した子供の生活実態調査では、母子家庭の五七・七パーセントが「生活が苦しい」との回答をするなど、母子家庭の貧困は深刻です。ひとり親への支援としては、これまでの各種手当の支給や貸付けのほか、就業相談や資格取得支援を行ってきました。また、ひとり親家庭の約七割は、養育費を受け取っておらず深刻な問題となっており、養育費確保に向けた啓発や相談対応に力を入れております。 さらに、地域の皆さんの自発的な取組として、ひとり親世帯に無料で食料を配布するフードパントリーが県のマッチング支援により急速に広がってきており、更なる支援の充実を図ってまいります。 今後も、ひとり親の皆さんの声をあらゆる場でお聴きし、ニーズの高い支援等について検討してまいります。様々な取組を幾重にも実施し、経済的貧困を低減・緩和するとともに、貧困の連鎖解消に向けてしっかりと取り組んでまいります。       〔石川英寛企画財政部長登壇〕 ◎石川英寛企画財政部長 御質問六、スマート県庁の推進についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、AIなどの新技術を活用し、行政の効率化や県民サービスの向上を図るスマート県庁を推進するためには、専門的なスキルを持った人材の育成、確保が必要です。そのため県では、新技術を含めたICTの全庁的な利活用をリードする情報部門の職員のスキル向上を図るとともに、外部専門家を確保して知見も活用していくこととしています。 まず、職員の育成では、ICT基礎研修に加え、必要なスキルを全般的に習得できるよう、今年度からサーバやネットワークを設計し、実際に稼働させるなどの実践的な研修も実施しているところです。また、最新技術の知見を得るために、民間企業のICT技術部門への長期派遣を継続して実施しているところです。こうした取組で育成した職員が、各部門におけるICT担当職員に適切な指導、助言を行うことで、全庁的なICT化を推進しております。 これに加え、職員だけでは十分な対応が難しい分野では、外部専門家を確保し、その知見を得ています。例えば情報システムの導入に際しては、効率的で導入効果の高いシステムとなるよう、対象業務を踏まえた設計の効率性や費用対効果について、コンサルタントの知見を踏まえて精査しております。また、令和二年度にはセキュリティの専門家に委託することで、日々高度化するセキュリティ脅威への対応や職員の専門的研修、OJTなども実施する予定です。 高度な人材を確保するためには、プログラミングやセキュリティなど技術分野ごとに豊富な経験とノウハウを持つ専門人材を活用することが必要です。そのため、議員お話しのICTの専門職員を採用するという手法も含め、対象業務や目的、期間などを考慮し、その都度最適な手法で高度化、複雑化したICTに的確に対応できる人材を確保してまいります。 次に、御質問八、大江戸線延伸についてお答え申し上げます。 大江戸線の延伸につきましては、平成二十八年の交通政策審議会答申において「都心部とのアクセス向上に意義がある」とされました。一方で、県内区間では事業性に課題があり、沿線開発の取組を進めた上で、事業主体を含めた事業計画について十分な検討が求められているところです。 鉄道事業を担う事業主体については、自ら的確に遂行する能力が法律上求められているところであり、具体的には安全な輸送を担う能力、事業を実施できる経営基盤などが必要とされています。こうした要素を全て満たし、鉄道の安全輸送を実施できる者が事業主体になるべきと考えております。 また、大江戸線は東京都が運営しているという状況も踏まえる必要があります。県では東京都と随時、延伸に向けた取組やまちづくりなどについて意見交換を行っており、今後とも継続してまいります。 さらに、答申で示された課題を解決するためには、まちづくりを進捗させ、沿線人口を増やしていくことが重要と考えております。新座市は平成二十七年に延伸実現に係るまちづくり構想を策定し、その中心となる施設などの誘致や関係機関との調整などの項目が示されていますが、これらについて具体化していただくことが必要と考えております。 その他の沿線市でも、人口減少社会の到来なども考慮すると、沿線人口を増やすだけでなく、交流人口の増加など更なる取組が求められます。また、令和二年度は、あと数マイルプロジェクトの取組として有識者会議を設置し、大江戸線も含めた各路線に関する今後の方向性や課題について検討し、年度内に取りまとめる予定です。 現在、県では、まちづくりの主体となる新座市、所沢市と毎年連絡会議を開催し、沿線の開発状況や今後の需要創出につながる取組などの意見交換を行っています。県内及び都内の沿線自治体で構成する協議会では、令和元年度から課題解決に向けた勉強会を開催しており、県もこの勉強会に参加して検討に協力しています。県としては、まずはこれらの会議に参加して、沿線市の主体的な取組が進むよう積極的に協力してまいります。       〔小島康雄県民生活部長登壇〕 ◎小島康雄県民生活部長 御質問七、NPOの戦略的育成についてお答え申し上げます。 まず、NPOをなりわいとして成立させるための実態調査についてでございます。 子育て支援や高齢者の見守りなど地域課題を解決するためには、行政だけではなくNPOの活動が重要であり、更に協働を進めていく必要があると考えております。県では、平成二十五年度にNPO法人の実態や課題を把握することを目的に調査を実施いたしました。また、内閣府でも、平成二十九年度まで同様の全国調査を行ってまいりました。いずれの調査結果でも、人材や資金などに課題を持つNPO法人が多いことが明らかになったところでございます。 現在、県では、こうした課題を踏まえつつ、NPO法人が事業報告書を提出する機会などを捉えて丁寧に相談に乗るほか、実際に訪問することなどにより実態を把握しているところでございます。 次に、NPOを戦略的に育成していくべきだと考えるがいかがかについてでございます。 県内NPO法人の大半は地元に密着した活動を行っており、限られた人材・資金・情報で運営されております。県では、こうしたNPO法人が円滑に運営を行い、地域課題の解決に取り組めるよう、きめ細かな支援を行っております。 まず、県のNPO基金を活用し、NPO法人が大学や企業などと協働して行う先進的な取組などに対して事業費の助成を行っております。そのほか、資金面ではクラウドファンディングをはじめとして、資金調達のノウハウの提供を行っております。また、人材面では専門家ボランティアや団体とのマッチングなどを行い、組織運営の支援も行っているところでございます。 今後とも福祉やまちづくり分野などの様々な地域課題を解決するためには、NPO法人との協働が大切であると考えておりますので、法人の実態を調査し戦略的に支援してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問九、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)保谷朝霞線についてでございます。 保谷朝霞線は、新座市内で県道練馬所沢線から国道二五四号までを南北に結ぶ延長約四・四キロメートルの都市計画道路です。現在、県道練馬所沢線から産業道路と呼ばれている市道までの一千七百四十メートル区間について、都市計画変更の手続を進めております。関係する住民の皆様に対しては、これまで六回の地元説明会を行うとともに個別相談に応じるなど、できる限り丁寧な対応に努めております。 また、この道路の無電柱化につきましては、沿線の土地利用状況や路線の性格を考慮し、無電柱化の手法や範囲について検討してまいります。 さらに、新たにできる交差点での交通の円滑化でございますが、主要な交差点の右折交通量を推計し、交通管理者と協議を実施しております。この結果、交差する産業道路には、保谷朝霞線の整備に合わせ右折帯を設置する計画としています。まずは、都市計画変更手続を着実に進め、早期に事業化できるよう取り組んでまいります。 次に、(二)栗原交差点改良工事についてでございます。 栗原交差点は、県道と県道が交差する十字路で慢性的な渋滞が生じていたことから、四方向において右折帯の整備を進めてまいりました。交差点の西側は平成八年度に、その他の三方向は平成十八年度に事業着手いたしました。用地が取得できた箇所から順次工事を進め、交差点西側は平成十九年度に、東側は平成二十五年度に右折帯の整備が完了しました。また、交差点の南側は平成三十年度に工事を行い、暫定的な整備が完了しています。北側については用地取得は完了しておりませんが、取得済みの用地を使い、歩行者が安全に信号待ちできる空間を整備いたしました。 今後は残る地権者の皆様に対して、工事の内容や手順など、より丁寧な説明に心掛け、事業への御理解と御協力をいただき、早期完成に向け取り組んでまいります。 次に、(四)県道さいたま東村山線の歩道整備についてでございます。 この道路の国道二五四号から北側については、通学路に指定されている区間には十分な幅員ではございませんが、ガードレールや縁石などにより歩道が設けられています。このため、当面の対応といたしましては、現状の歩道幅員の中で安全で歩きやすい歩行空間を確保することが重要であると考えております。平成三十年度には、地元新座市と連携して総点検を行い、これまでに側溝蓋の修繕や段差の解消など十六か所で安全対策を行ってまいりました。 引き続き地元の皆様からの情報も参考にし、現状の歩道幅員の中で効果的な安全対策を検討、実施してまいります。       〔砂川裕紀下水道事業管理者登壇〕 ◎砂川裕紀下水道事業管理者 御質問九、地元問題についての(三)柳瀬川幹線の満管状態に起因する汚水の大規模な溢水被害についてお答え申し上げます。 昨年の台風第十九号の際、本県流域下水道の柳瀬川幹線がほぼ満管状態となった結果、新座市の公共下水道からの下水が流れにくい時間帯があり、溢水被害が発生いたしました。これは本来、汚水とは別に排除されるべき雨水が市町の公共下水道に大量に入り込む、いわゆる雨天時浸入水として流入したことが主な原因と考えられます。 雨天時浸入水を削減するためには、正確な流入量を把握し、市町による老朽化した下水道管や各家庭への取付管の補修など、一つ一つの発生源対策をこまめに行う必要があります。現在の流量計では、平常時を大幅に上回る流入量の正確な把握が困難なことから、台風シーズン前までに改修する予算を今定例会に提案させていただいております。 また、平成二十九年度の台風第二十一号による溢水を受け、平成三十年度より多量の雨天時浸入水が見込まれる区域の抽出調査に着手しており、今年度中には完了する予定でございます。抽出結果を踏まえ、市町において今後発生源を特定する調査や対策を実施することとしており、新座市を含む一部の市町においては、関連費用を令和二年度予算案に計上していると聞いております。 一方、議員御指摘のとおり、雨天時浸入水を削減するための発生源対策には、ある程度の時間と予算を要します。即効性のある対策としては、柳瀬川幹線上流にある公共下水道からの流入量を減少させるため、接続点に設置されているゲートを絞ることが考えられます。そこで、台風第十九号の水位データを関連市町に提示し協議を重ねた結果、接続点に設置されているゲートを絞ることとなりました。 今後、絞り込みによる影響を検証しながらの運用になりますが、この措置により豪雨時における新座市の公共下水道からの流入が、よりスムーズになるものと見込んでおります。下水道局といたしましては、市町と連携し、来年度改修を予定している流量計のデータを活用しながら、溢水の再発防止に取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○新井豪副議長 暫時、休憩いたします。午後二時六分休憩          ----------------午後三時二分再開 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名    十五番  四十三番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○神尾高善議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○神尾高善議長 質疑質問を続行いたします。 十四番 町田皇介議員       〔十四番 町田皇介議員登壇〕(拍手起こる) ◆十四番(町田皇介議員) 皆様、こんにちは。議席番号十四番、上尾市、伊奈町から選出いただいております埼玉民主フォーラムの町田皇介です。 本定例会におきまして、県議会での初めての一般質問の機会をいただき、ありがとうございます。また、日頃より御支援をいただいております地元の皆様に感謝申し上げます。 それでは、議長よりお許しをいただいておりますので、通告に従い順次質問させていただきます。 まず初めに、一、児童相談所職員の負担軽減と子ども家庭総合支援拠点整備への支援についてお伺いいたします。 平成三十年十二月に策定された児童虐待防止体制総合強化プランでは、児相や市町村の体制、専門性の強化を令和元年度から四年間で進めることになりました。具体的には、児相に配置する児童福祉司は、平成二十九年度の全国約三千二百四十人から令和四年度までに二千二十人増員。また、児童福祉司は一人当たりの業務量が四十から五十ケース相当になるように、管轄する地域を見直すことなどが掲げられております。 本県の現状を見ますと、児童虐待の通告件数は年々増加傾向にあり、平成二十五年度五千三百五十八件から平成三十年度には一万五千五百三十四件と、五年間で約三倍となっております。また、昨年一年間で県警が児相に通告した十八歳未満の子供の数は九千七百五十一人で全国三位、県警が通報を受け対応した件数は八千九百七十六件と全国二位で、平成十六年以降で過去最多という状況です。 本県の児童福祉司の体制については、昨年九月定例会の鈴木正人議員への知事答弁でも、「平成三十年度の児童福祉司の一人当たりの対応件数は七十三件で、全国平均の四十九件と比べ突出しており、国の新しい配置基準によると、現在の百九十七人から令和四年度までに百八十二人増員する必要があり、人材の確保は難しい」と述べられております。 政令市の福岡市では、児相業務の一部を民間に委託することで児相職員の負担軽減を図っています。休日、夜間の児相通告のうち緊急性があるケースについては、児相の要請を受けたNPO法人の訪問員が児童の安全確認を行ったり、休日、夜間に一時保護要請があった場合には、児童を児相などに移送したりしています。これにより安全確認の業務時間の軽減や、休日の電話呼出しなどの精神的負担の軽減につながり、また、児相職員が訪問する場合に比べて保護者の受け取り方が良く、その後の支援が円滑に進みやすくなったという声もあるようです。 そこで、知事にお伺いいたします。 児相職員の負担軽減、体制の強化の一環として増員という観点だけではなく、このように業務の一部を民間に委託することも検討していく必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、子ども家庭総合支援拠点についてです。 国の総合強化プランの中には、市区町村における相談体制を強化するため、子供とその家庭、妊産婦等を対象として、地域の実情の把握や継続的支援等を行う子ども家庭総合支援拠点についても、令和四年度までに全市町村に設置する目標が掲げられております。その中には、「市町村における支援体制の強化を図るため、児相に市町村を支援するための児童福祉司を配置する」ともあります。しかしながら、専門職など適切な人材確保に対する市町村への支援は十分ではなく、設置がなかなか進んでいない状況です。 そこで、児相を管轄する県としても、責任を持って子ども家庭総合支援拠点の設置に対する支援体制を整えていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、二、屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設の果たすべき役割と機能についてお伺いいたします。 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催がいよいよ目前に迫ってまいりました。日本代表選手、とりわけ本県ゆかりの選手の活躍に期待が高まっているところです。そして、その代表格が毛呂山町出身の瀬戸大也選手であり、リオ五輪では越谷市出身の星奈津美選手とともに銅メダルを獲得しました。昨年の世界選手権でも金メダルを二つ獲得し、今回の東京オリンピックでは、金メダルの獲得が大いに期待されるところであります。 こうした選手のすばらしい活躍の一方で、本県の水泳環境は大変厳しいものがあります。東日本で屋内の公営五十メートルプールがないのは、本県だけです。選手は二十五メートルプールでは十分な練習ができず、秋から春にかけては県外遠征を余儀なくされます。シーズン中も厳しい暑さや寒さに耐え、日々練習に取り組んでおります。屋内五十メートルプールの整備は、選手の競技力の向上のためだけではなく、健康や安全面からも喫緊の課題となっております。 また、水泳やプールの活用は、県民にとりましても健康維持や体力向上のため大変有効であり、屋内五十メートルプールは県民の健康づくりの拠点としても大変重要な施設となります。 現在、県議会では建設候補地についての議論が進んでおり、私の地元上尾運動公園も候補地の一つに挙げられております。上尾運動公園は国体のメイン会場となった陸上競技場をはじめ、体育館、武道館、アイスアリーナなど多くの県有スポーツ施設が集積しており、年間八十万人を超える方が利用している状況です。県有地であるため土地の取得費がかからないことなど、コスト面でも大きなメリットがあり、県内各地からのアクセスの良さ、近隣スポーツとの連携による相乗効果等々、県民全体の目線で考えたときに、私は最適な候補地ではないかと思っております。 さて、このような建設地の話もありますが、屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設の整備に当たり、やはり忘れてならないのが、それぞれの施設がどのような役割を果たすべきか、また、そのためにどのような機能を持たせるべきか、県民が利用しやすくするためにどのように活用していくかという視点です。 そこで、施設整備の議論を県民目線で更に一歩進めていくために、知事にお伺いいたします。 アスリートの競技力の向上や県民の充実したスポーツライフを推進する拠点として期待される屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設は、どのような役割を果たすべきであり、どのような機能が必要と考えているのか。また、できるだけ多くの県民が利用しやすい施設とするためにどのような工夫を考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、三、学校における働き方改革を実現するための方策についてお伺いします。 近年、教員の長時間勤務や過重労働が社会問題にもなっていますが、国は昨年十二月、学校における働き方改革を推進するため、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」、いわゆる給特法を改正しました。この法律のポイントは、来年四月一日から施行となる休日のまとめ取り等、「一年単位の変形労働時間制の適用」と、本年四月一日から施行となる教員の「業務量の適切な管理等に関する指針の策定」であり、後者については施行日まであと一か月余りとなっております。 教員の業務量の適切な管理等に関する指針の策定では、公立学校の教員の時間外在校等時間、いわゆる残業時間の上限について、原則月四十五時間、年三百六十時間とすることが定められることになります。しかしながら、文科省の教員勤務実態調査を基に作成された資料によりますと、小学校で平均月五十九時間、中学校で平均月八十一時間の残業を強いられ、過労死ラインとされる月八十時間を超えている教員は、小学校で約三割、中学校で約六割に上るという深刻な状況です。このような中で、学校における働き方改革が本当に進んでいくのか、不安は拭えません。 四月から、小学校では中学年の外国語活動や高学年での外国語の教科化、プログラミング教育の必修化も始まり、更なる業務の増加も懸念されるところであります。今後、教育委員会が教員の時間外在校等時間の上限を定めることになりますが、そもそもこの指針は、上限時間までの業務を行うことを推奨するものでもありませんし、教員が担う業務を削減していく実効性のある方策がなければ、時間内に仕事を終えることはできません。本質的に適切な業務量とならなければ、本来の目的である教員の健康や福祉を確保していくことも困難となります。 そこで、教育長にお伺いいたします。 ICTによる校務支援システムの拡充など業務の効率化を進めていくことはもちろんですが、特に重複するような年次研修の抜本的な見直しや縮減、あるいはスクールサポートスタッフや部活動指導員、スクールソーシャルワーカーなど外部人材の活用を強力に推し進めていかなければ、教員の業務量削減を実現することは難しいと考えます。教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、昨年十二月定例会の東間亜由子議員への答弁で、「県立学校ではICカードによる勤務管理システムの導入により、出退勤の状況を客観的に把握する」と述べておりますが、教員の業務量が思うように削減できなかった場合、単に管理職による教員の在校等時間の厳格な管理だけが進み、外形的に把握しにくい持ち帰り業務が増加、常態化するのではないかとの懸念があります。そもそも業務削減を実現していく上では、持ち帰り業務を含めた教員の業務の全体像を把握する必要もあります。 そこで、本県では教員の持ち帰り業務の実態を把握しているのか。仮に把握していないのであれば、今後把握するお考えがあるのか。また、今後持ち帰り業務が生じないよう、どのような対応を考えているのか、教育長に御所見をお伺いいたします。 次に、四、障害者の親亡き後を見据えた地域生活支援拠点等の整備促進についてお伺いいたします。 私も長年、障害児スポーツのコーチや地方議員として活動してきた中で、障害を持つ子供やその親御さんと数多く接する機会をいただいております。その中で伺う親御さんたちにとって共通する一番の不安は、親亡き後の子供の生活です。 本県の身体・知的・精神障害者の手帳所有者数は、昨年三月末で三十一万二千百九十六人おります。国は、障害者の重症化、高齢化や親亡き後を見据え、障害者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制を構築すべく、地域生活支援拠点等の整備を進めております。この支援拠点の主な機能としては、①相談、②緊急時の受入れと対応、③体験の機会と場、④専門的人材の確保と養成、⑤地域の体制づくりとありますが、必ずしも全ての機能を備えるということではなく、市町村が地域の実情に応じて判断し、整備していくこととなっております。 本県においても第五期埼玉県障害者支援計画で、来年度までに「地域生活支援拠点を市町村又は各圏域に少なくとも一つ整備するよう各市町村と連携して取り組む」とされておりますが、現在、整備済は川越市、坂戸市、吉川市の三か所と、整備が進んでいない状況です。厚労省の資料によりますと、県の役割は市町村に対して必要な支援を行うとともに、未整備の市町村に対して整備に向けた検討を早期に行うよう促す必要があり、拠点等の整備・運営に関する研修会の開催、現状と課題の把握・共有など、後方的かつ継続的な支援を図ることとなっております。 しかしながら、自治体担当職員に現状について話を伺いますと、「自治体が独自に先進地を探して視察し、先進地の担当者の話を聴きながら手探り状態で進めている」とのことで、残念ながら、県の支援がほとんどないといった状況でした。厚労省の平成三十年四月一日時点における全国の整備状況についての調査結果では、本県の多くの未整備自治体においても、来年度末までの設置を目指して検討を進めていることが分かります。 そこで、福祉部長にお伺いいたします。 障害を持つ子供の親の一番の不安である親亡き後の子供の生活。その不安を少しでも解消させるために、また、いかなる障害があっても地域で安心して生活できる環境を作るためにも、来年度末までの目標達成に向け、地域生活支援拠点の整備を着実に進めていただきたいと考えていますが、県の支援体制は決して十分と言える状況ではないと感じます。多くの自治体は、特に緊急時の受入れと対応、専門的人材の確保と養成の機能整備に苦慮していますので、そのサポートも含め、県は市町村への各種支援を進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、五、中小企業・小規模事業者の防災・減災対策の推進についてお伺いいたします。 昨年七月、中小企業の防災・減災への取組等を促進するため、中小企業強靭化法が施行されました。これにより、中小企業・小規模事業者が自然災害への防災・減災対策を盛り込んだ事業継続力強化計画を策定し、経済産業大臣から認定を受ける制度が始まりました。 計画の策定、認定により、低利の融資や税制優遇、補助金の優遇措置などを受けることができます。また、その流れの中で小規模事業者支援法も改正され、中小企業等の支援については、商工会、商工会議所が市町村と連携し、事業継続力強化支援計画を共同で作成し、都道府県知事が認定する制度も併せて始まりました。 現在、有事の際の行動計画とも言える事業継続計画(BCP)の策定については、官民が行っている各調査を見ましても、大企業の大半が既に策定済や策定中となっている中、中小企業等においては「何から始めればよいのか分からない」「人手不足」「複雑でハードルが高い」などの理由から、災害に対する備えやBCPの策定率が一五、六パーセント程度と進んでいない実情があります。 そもそもBCPを策定するにも、分量的には大変膨大なものとなり、時間も労力も要します。仮に中小企業等がBCPの策定の必要性を認識したとしても、日々の経済活動に追われ、策定することは実質的になかなか難しいという現状があります。 先日、台風第十九号で事務所や機械設備など浸水被害を受けた地元の中小企業を訪問しました。この地域は二年前の台風でも浸水被害を受け、今回二回目の被災ということで、今後どのような事前の防災・減災対策ができるのか検討しており、行政の支援についての御相談を受けました。 しかし、残念ながら、企業が事前に講ずる防災・減災対策において、国、県ともに直接的な補助金はありません。今回、本県では台風第十九号によりこれまでにない甚大な被害を受け、これを機に、事前の対策について考える中小企業等も、少なからず増えていくことが考えられます。 私は、中小企業・小規模事業者の防災・減災対策を推進していくためにも、まずは事業者にとってBCPよりも作業量的にハードルの低い事業継続力強化計画の策定を促進させていくべきと考えます。そのためには、商工会、商工会議所と市町村が共同して作成し、知事が認定する事業継続力強化支援計画の策定を進め、中小企業等を支援していく必要があると考えます。昨年二月定例会の高木真理議員への答弁でも、「事業継続力強化支援計画などの仕組みも積極的に活用し、商工会議所等と連携し、企業のBCP策定をしっかりと支援していく」と、産業労働部長が述べられております。 そこで、産業労働部長にお伺いいたします。 本県における事業継続力強化支援計画の認定の現状と今後の支援方針について、また中小企業等における防災・減災への取組の促進策についてお伺いいたします。 次に、六、直轄警察犬・警備犬、嘱託警察犬の活用と体制強化についてお伺いいたします。 全国では、犯罪捜査や行方不明者の捜索などを担う刑事部門の警察犬のほかに、災害現場の生存者の捜索や爆発物の捜索、犯人の制圧に当たる警備部門の警備犬が活躍しております。 本県では今年度より、県警が直接管理する直轄警察犬・警備犬の運用が始まりました。これまでは必要に応じ民間の嘱託警察犬と嘱託指導士に出動を求めていましたが、これからは課題であった危険が伴う事案や秘匿性が高い現場への出動、初動捜査の迅速化など、直轄警察犬・警備犬の効果的な運用が期待されているところであります。 先日、昨年四月に開設された上尾市にある警察犬センターに伺いました。鉄骨二階建てのセンターでは、犬房や診察室、病犬舎などが完備され、訓練場では直轄警察犬が匂いを手掛かりに対象者を追跡する足跡追及訓練や、警備犬がロッカーに隠された爆発物を捜索する訓練などを見学させていただきました。 さて、いよいよ本年七月には東京オリンピック・パラリンピックが始まります。本県は東京都に次ぎ四会場五競技が実施される予定ですので、昨年のラグビーワールドカップ以上に国内外から多くの方々が本県に訪れることになります。期待が大きい反面、テロの脅威をいかに未然に防いでいくのか、官民一体となった対策も重要となります。 また、近年の本県を取り巻く状況を見ますと、異常気象も頻発しており、さらには首都直下地震なども想定されております。加えて、全国一のスピードで高齢者が急増する本県においては、行方不明者の捜索数も増加傾向にあるという状況もございます。そのようなことを踏まえましても、警察犬や警備犬が果たす役割は、今後ますます大きなものとなると考えています。 そこで、警察本部長にお伺いいたします。 まず、直轄・嘱託警察犬と直轄警備犬のこれまでの活用状況と実績についてお聞かせください。また、今後直轄警察犬と指導士の増頭、増員について御所見をお伺いいたします。 次に、警察犬の指導士についてです。 現在、本県警の指導士は男性しかおらず、例えば捜査の際、女性の更衣室やトイレ、授乳室など、ちゅうちょしてしまうような現場があるのではないかと危惧します。そこで、女性指導士の任用も検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、警察犬の採用犬種についてです。 日本警察犬協会は、警察犬に適している犬種として、ドイツ・シェパードやドーベルマンなど七種を挙げています。しかしながら、現場によってはこのような大型犬種が適さないような状況もあるのではないかと考えます。全国では数は少ないながらも、チワワなど小型犬が嘱託警察犬として活躍している事例もあります。 そこで、大型犬種以外の犬種を警察犬に導入することについて、御所見をお伺いいたします。 最後に、七、地元問題についてお伺いいたします。 まず一点目は、一級河川江川の治水対策についてです。 一級河川江川は、鴻巣市、北本市、桶川市、上尾市を流れ、荒川に合流する河川で、平成二十七年の台風第十一号の際は、増水した江川上流部において、桶川市内の高校に通う女子生徒が亡くなられるという大変痛ましい事故も起こりました。 その後、江川改修促進協議会や県央地域選出の県議会議員の先輩方の働き掛けにより、県は江川の治水安全度を早期に高めるため、上流部の調節池の整備を平成二十七年度から進めていただいているところです。しかし、現在でも江川流域では、大型台風や局地的な集中豪雨が発生するたび、住宅等の浸水被害や道路冠水が起こる状況です。 特に昨年の台風第十九号では、江川流域におきましても住宅や工業団地等、これまでにない甚大な浸水被害を受けました。また、緊急輸送道路にも指定され、主要幹線道路となっている県道川越栗橋線では、冠水により四十七時間の通行止めとなり、市民生活にも多大な影響を及ぼしました。 地元では、「川越栗橋線をかさ上げし、冠水被害を少しでも軽減してほしい」といった声もあります。そして、依然として江川流域の浸水被害軽減策として、調節池の早期整備や荒川との合流点である宮下樋管の改築、排水機場の整備という強い要望もございます。 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。 現在、江川上流部で進めている調節池整備事業並びに江川中下流域の治水対策の現状と今後の見通しについてお聞かせください。 次に、二点目、原市沼調節池の早期整備と利活用についてお伺いいたします。 原市沼調節池は、一級河川原市沼川の洪水を一時的に貯留する五つの池からなる、容量六十万八千立方メートルの調節池であり、原市沼川を境に伊奈町と上尾市をまたいだ全面積は三十六万九千百八十二平方メートルに及びます。現在、三つの池が既に完成し、四つ目の池も暫定的に供用開始されている状況です。今年度は未完成の一か所、五つの調節池の中で一番大きい上の池の用地買収、樹木伐採などが進められております。地域の治水安全度を高めるためにも、地元から調節池の早期整備の要望もありますが、これだけ広大な土地でありますので、可能な限り地元住民のために利活用していくことも、重要な視点ではないかと考えます。 現在、伊奈町では、町名の由来となった伊奈備前守忠次公によるまちづくりを進めています。先日、町制施行五十周年記念「忠次公によるまちづくり 散策路整備イベント」が開催され、私も参加させていただきました。整備事業としては今回五回目で、あいにくの雨でしたが、多くの町民、ボランティアの方が参加され、忠次公の屋敷跡周辺の町道にウッドチップをまき、十一路線目となる散策路が整備されました。 原市沼調節池事業の中でこれから整備を進めていく上の池は、忠次公の屋敷跡や散策路からほど近い場所にあります。忠次公は、徳川家康の代官頭として河川整備の陣頭指揮を執った、正に「治水の神様」と言える人物であり、調節池は治水の象徴であります。私は、伊奈町の進める「忠次公によるまちづくり」と県の進める調節池整備や川の再生の取組を関連付けることが、地域にとっても良い方向で相乗効果を生むのではないかと考えています。知事も「一つの政策の効果が二重、三重になるような政策を」と、よくおっしゃっております。 そこで、原市沼調節池の早期整備と幅広い観点からの利活用について、県土整備部長に御所見をお伺いいたします。 最後に、三点目、県道鴻巣桶川さいたま線上尾陸橋交差点)の渋滞緩和策についてお伺いいたします。 県道鴻巣桶川さいたま線は、地元では旧中山道と呼ばれておりますが、JR高崎線と国道一七号の間を平行して南北に走る主要幹線道路であります。また、上尾市内を東西に走る県道川越上尾線、こちらも上尾道路や国道一七号とを結ぶ主要幹線道路になりますが、この日常的に交通量が多い二つの主要幹線道路が交差する場所が、上尾陸橋交差点になります。 以前から、この交差点の旧中山道側におきましては、もともと道路の幅員も狭く右折レーンが上下線ともないため、一台でも右折待ちをするとすぐに渋滞が発生するという慢性的な渋滞箇所となっております。現在、県が交差点整備事業を進めていただいていることは承知しておりますが、この交差点のすぐ南側の旧中山道沿いに、今年の秋頃、イオンモール上尾のオープンが予定されております。イオンモールの複数の出入口は全て旧中山道につながるということで、「どれほど交通量が増えるのか」「更に渋滞がひどくなるのではないか」という不安の声を多くの市民の方々から頂いております。 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。 旧中山道の渋滞緩和のためにも、地元から強い要望のある上尾陸橋交差点の改良をできる限り早期に進めていただき、併せて右折信号の設置や信号の秒数調整などの対策も講じていただきたいと考えますが、現在進めている交差点改良事業の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 十四番 町田皇介議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 町田皇介議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、児童相談所職員の負担軽減と子ども家庭総合支援拠点整備への支援についてのお尋ねのうち、業務の一部を民間に委託することについてでございます。 通告件数が急増する中、児童虐待に的確に対応するためには、職員の増員が不可欠です。しかし、短期間に能力の高い職員を多く採用することは、簡単ではありません。 そこで、議員お話しのとおり、業務の民間委託を進めることが重要となります。県では、令和元年九月から川越児童相談所と所沢児童相談所管内で、リスクが低い虐待通告の安全確認をNPOに委託するモデル事業を実施しています。また、里親委託の推進のため、里親の募集から研修、委託後のサポートまでの支援を民間へ委託しております。 職員の負担軽減や組織体制の強化には、民間委託以外の取組も必要となります。虐待事案のうち市町村で支援することが適当なものについては、児童福祉法に基づき市町村へ事案を引き継ぐ送致制度の活用を進めています。さらに、児童福祉司の担当業務のうち、事務職でも対応可能な業務の切り分けの検討も行っています。今後も民間への業務委託の拡充などの負担軽減を図ることによって、児童福祉司が重篤な事案に注力できる環境を整え、子供の安全確保に万全を尽くしてまいります。 次に、子ども家庭総合支援拠点の設置に対する支援体制でございます。 この拠点は、住民の身近な場所で子育て全般に関する相談や要支援児童への対応などを行うことを目的として、国が平成二十九年度に制度化し、令和四年度末までに全市町村への設置を促しています。しかしながら、一月末現在、県内で設置しているのは七市町にとどまっております。このため、拠点の目的や重要性、期待される効果について、市町村の担当課長会議などを通じて丁寧に伝え、設置の促進を図ってまいります。 県が昨年六月に市町村に対し、拠点の設置に関するアンケート調査を行いましたところ、設置が困難な理由として、「専門職を含めた職員の確保、育成が難しい」との意見が最も多い状況でした。このため、県では令和二年度から、拠点への配置が求められる専門職を育成する研修を新たな研修メニューとして加え、市町村の人材育成に積極的に協力してまいります。 また、本県では、妊娠期から出産、子育て期までの切れ目のない子育て支援を行う子育て世代包括支援センター、いわゆるネウボラが、今年度中に全市町村で設置されます。国の要綱では、子ども家庭総合支援拠点の設置について、子育て世代包括支援センターなどの既存組織の活用も示されております。市町村に対しては、こうした情報をしっかり提供してまいります。子供に対する様々な支援が身近な全ての市町村で受けられるよう、子ども家庭総合支援拠点の設置に向けた支援を鋭意進めてまいります。 次に、屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設の果たすべき役割と機能についてのお尋ねのうち、屋内五十メートルプールの果たすべき役割と必要な機能についてでございます。 屋内五十メートルプールが整備されれば、水泳選手をはじめとする利用者が、年間を通じ天候を気にせず練習することが可能となります。また、国内の主要大会も開催できるようになるため、将来のトップスイマーを目指す子供たちに夢と希望を与えるものになると考えています。東京二〇二〇オリンピック日本代表に内定した瀬戸大也選手のような世界に誇れるトップスイマーを一人でも多く本県から輩出できれば、県民に大きな勇気と感動を与えてくれます。 このように屋内五十メートルプールは、水泳王国埼玉を更に一段上のステージに押し上げる役割を果たす施設であるべきと考えております。こうしたことから、県内初となる屋内五十メートルの長水路プールが必要であります。併せて、国内主要大会の開催に必要なサブプールや観客席などの施設設備、そして最先端技術で競技力を向上させるシステムなどの機能も必要です。また、プールはトップアスリートの競技力向上だけではなく、水中運動で身体に負担をかけずに全身をバランスよく鍛えることに向いています。そこで、水泳教室をはじめ水中ウォーキングやアクアビクスなど、県民の多様なニーズに応じた教室を開催し、幅広い世代の健康づくりを推進していく役割を果たすことも、必要と考えております。 次に、スポーツ科学拠点施設の果たすべき役割と必要な機能についてでございます。 国では、二〇〇一年に国立スポーツ科学センターを開設し、国内トップレベルの選手を中心に、スポーツ科学による支援を行っています。本県の施設は、県内のアスリートに対してスポーツ科学による支援を受けられる機会を提供し、本県スポーツ界の競技力の更なる底上げを図る役割を果たすべきと考えております。そのためには、スポーツ科学に基づく指導ができる様々な設備やアスリートを発掘、育成する体制を整備するなど、国内トップレベルの選手を一人でも多く輩出する拠点施設としての機能を持たせたいと考えております。 また、トップレベルの選手を育成することで得られたスポーツ科学に関する知見は、広く一般県民の方にも応用できるものであります。このため、アスリートだけではなく、一般県民向けの体力測定やトレーニング指導を行い、けがの予防や健康増進に役立てていくことも、大きな役割の一つであります。 次に、できるだけ多くの県民が利用しやすい施設とするための工夫についてでございます。 屋内五十メートルプールでは、子供から高齢者まで幅広い世代の方々に有効活用していただくため、施設のバリアフリー化はもちろんのこと、プールの床を可動式にして深さを調整可能にすることを考えております。利用時間についても夜間の利用など、県民のライフスタイルの多様化に柔軟に対応していくことがポイントです。また、スポーツ科学拠点施設では、多くの県民がスポーツ科学の知見を活用できるよう、県内の大学や市町村と連携することも検討してまいります。 屋内五十メートルプール及びスポーツ科学拠点施設の整備につきましては、県議会をはじめ様々な方の御意見も伺いながら、県民の皆様にも使いやすい施設となるよう検討を進めてまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問三、学校における働き方改革を実現するための方策についてお答え申し上げます。 まず、教員の業務量削減の実現に向けての取組についてでございます。 年次研修の見直しや縮減につきましては、教員の資質能力の維持向上とのバランスをとりながら進めていくことが大切であると考えております。県では、これまでも教員の経験年数に応じて求められる資質能力を体系化し、研修内容の見直しなどを行ってまいりました。 例えば来年度の初任者研修では、これまで総合教育センターなどで行ってきた研修の内容を学校で行うよう見直すことで、出張を伴う研修を二日減らし、教員が子供と向き合う時間を増やすことといたしました。また、市町村が独自に行う研修につきましては、県が実施する研修の内容などを踏まえ、その必要性を十分に精査し、見直しや縮減を図るよう働き掛けております。今後も研修の内容がより効率的・効果的となるよう、見直しを行ってまいります。 また、外部人材につきましては、効果的に活用できるよう配置を拡充するための予算を今議会にお願いしております。今後、業務量の削減につながるような外部人材の配置による成果や先行的な事例を市町村や学校に情報提供し、より効果的に活用する方法について県内に広めてまいります。 次に、本県の持ち帰り業務の実態把握の状況や今後の対応についてでございます。 県では、平成二十八年六月に教職員の勤務状況調査を実施いたしました。その調査によると、県立学校では教員一人当たりの一か月の持ち帰り日数は、平均一・九日でした。議員御指摘のとおり、在校等時間の厳格な管理が行われることにより、持ち帰り業務が増加、常態化してしまっては意味がありません。 そこで、昨年九月に策定した「学校における働き方改革基本方針」に基づき、業務の削減や平準化といった取組を着実に進めることで、持ち帰りをすることなく在校等時間を減らしてまいりたいと考えております。併せて、教育局職員によるフォローアップ委員会で、今後の教員の持ち帰り業務の実態の把握方法について検討してまいります。 学校が子供たちにとって、より楽しく魅力ある場となるためには、教員が心身ともに健康で充実した日々を送ることが不可欠でございます。県といたしましては、学校における働き方改革を着実に推進し、教育現場の最前線にいる教職員を全力でバックアップしてまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問四、障害者の親亡き後を見据えた地域生活支援拠点等の整備促進についてお答え申し上げます。 障害者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、地域生活支援拠点等の整備を促進することは、県としても重要であると認識しております。この拠点は、障害者の重度化、高齢化や親亡き後を見据え、相談機能や緊急時の一時受入れ機能などを整備し、障害者の生活を地域で支えるものです。第五期障害者支援計画では、令和二年度までに全ての市町村が単独又は共同で拠点を一か所以上整備することを目標としています。現在、三市は整備済であり、令和二年度までに新たに四十七市町が整備を予定しております。 市町村では、議員お話しのとおり、緊急時の受入れや専門的人材の確保・養成などが課題となっております。これまで県では、県職員や相談支援の専門家をアドバイザーとして市町村に派遣し、緊急時の受入れの場の確保や専門的人材の養成方法など、地域の実情に合った助言をしてまいりました。単独での整備が難しい市町村には、県内四ブロックに分けた会議の場を設けるなどして、近隣市町村との広域的な取組を働き掛けてまいりました。 また、今年度からの新たな取組として、埼玉県・市町村自立支援協議会連絡会議を開催し、先進事例の発表やグループワーク等を行いました。参加者からは、「今後の拠点整備に向けて、他市の具体的な取組事例が大変参考になった」といった意見を頂いております。さらに、令和二年度は市町村ごとに拠点整備の進捗状況を確認しながら、課題の多い市町村に対しては集中的な支援を行ってまいります。県といたしましては、令和二年度までに全市町村が拠点を整備できるよう、引き続き、きめ細やかな支援を行ってまいります。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問五、中小企業・小規模事業者の防災・減災対策の推進についてお答え申し上げます。 まず、事業継続力強化支援計画の認定の現状についてでございます。 近年、国内で自然災害が多発する中、昨年の台風第十九号では多くの県内企業が被災し、県では現在もその復興のため支援に努めているところでございます。こうした自然災害に県内の事業者が適切に対応するためには、災害発生以前から被災した場合を想定し、防災や減災対策を含めた事業継続のための備えをしておくことが重要です。 しかしながら、大企業に比べて経営資源がぜい弱な小規模事業者は、災害に対する事前準備が十分に進んでおらず、万一被災した場合には、影響が大きくなる可能性があります。 そこで国では、小規模事業者の災害への備えや事後の早期復旧をサポートするため、各商工団体が市町村と共同して事業継続力強化支援計画を策定し、これを県が認定する制度を昨年六月に創設いたしました。この計画では、小規模事業者向けの普及啓発や発災後の情報収集など商工団体の取組を定めることとされています。県ではこれを受け、昨年九月に商工団体や市町村向けの説明会を開催し、本制度の周知を図ったところでございます。十一月には策定のための県のガイドラインを作成し、十二月から申請の受付を開始いたしました。これまで一団体の計画を認定しており、四団体が年度内の計画策定に向けて協議を進めているところでございます。 次に、今後の支援方針についてでございます。 商工団体からは、計画策定に当たり県に求める支援策として、研修会の開催や個別支援の実施という要望を頂いております。そこで、県では商工団体向けの研修会を令和二年度の年度当初と年度途中に二回開催いたしますとともに、必要な商工団体に対しましては、個別に職員が対応し支援を行っていきたいと考えております。より多くの商工団体に計画を策定していただけるよう、商工団体向けの支援を強化してまいります。 最後に、中小企業等の防災・減災への取組等の促進策についてでございます。 県内事業者に事業継続計画、いわゆるBCPを策定しておくことの大切さを理解していただくため、事業者向けセミナーを開催し、周知に努めてまいります。中小・小規模事業者の中には、自社から離れることができない事業者もおりますことから、身近な場所で受講できるよう複数の地域で複数回開催してまいります。その上で、BCP策定に取り組もうとする事業者向けに、個々の実情に応じて計画を策定できるよう、専門的な知識を有する講師による実践的なワークショップを商工団体と連携して開催してまいります。 こうした取組により、県内中小企業等の防災・減災への取組を促進し、万一の災害時にも速やかに復旧し事業の継続が図れるよう支援してまいります。       〔高木紳一郎警察本部長登壇〕 ◎高木紳一郎警察本部長 御質問六、直轄警察犬・警備犬、嘱託警察犬の活用と体制強化についてお答え申し上げます。 まず、直轄・嘱託警察犬と直轄警備犬のこれまでの活用状況と実績についてでございます。 従前の嘱託警察犬制度では、嘱託指導士が民間の方であることから常時出動態勢がとれず、出動及び現場到着に時間を要することや、危険が予想される現場や秘匿性の高い現場には出動の要請を慎重にならざるを得なかったことから、平成三十一年四月から直轄警察犬・警備犬の運用を開始いたしました。 警察犬につきましては、犯罪捜査における犯人の追跡活動や行方不明者の発見活動等に活用しており、令和元年中は七百九十三件の現場に出動し、そのうち直轄警察犬は二百一件の現場に出動しております。直轄警察犬の導入により運用範囲が拡大されたほか、より迅速な出動が可能となり、行方不明者の早期発見、事件解明等の実績を上げております。 また、警備犬につきましては、施設等に仕掛けられた爆発物の探知等に活用しており、昨年開催されたラグビーワールドカップの会場警備に出動するなど、テロの未然防止活動に効果を発揮しております。 次に、直轄警察犬と指導士の増頭、増員についてでございます。 現在、県警察では、直轄警察犬六頭及び同指導士七名の体制で運用しておりますが、警察犬は秘匿活動や薬物・銃器捜査等の特殊な事件にも活用が可能であり、活動が多岐にわたっていることから、今後、警察犬の増頭、指導士の増員の必要性を検討してまいります。 次に、女性指導士の任用についてでございます。 直轄警察犬指導士七名につきましては全て男性警察官ですが、性犯罪の被害への二次的被害などに配意した対応等も考えられることから、職員の適性や希望を踏まえ、今後、女性指導士の任用を検討してまいります。 次に、大型犬種以外の犬種の導入についてでございます。 直轄警察犬につきましては、警察犬としての特性を備えているとされるシェパード等の大型犬を運用しておりますが、秘匿性の高い現場などでは、小型犬種の警察犬の活用は有効と考えられますので、今後、警察活動や現場の状況等に応じた小型犬種の導入について、その必要性を検討してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)一級河川江川の治水対策についてでございます。 一級河川江川では、令和元年の台風第十九号の際、二十棟の浸水被害が発生したほか、周辺の県道や市道が冠水し、長時間の通行止めが発生しました。御質問の調節池においては、江川上流部において平成二十七年度に事業化し、河道の拡幅と併せ整備を進めており、現在は調節池の段階的な掘削と市道橋の架換えを実施しているところです。 令和元年の台風第十九号の際は、掘削途中の調節池に洪水の一部が流入することで下流の水位低下に効果があったと考えており、引き続き早期完成を目指し、これらの整備を進めてまいります。 次に、江川中下流域の治水対策については、専門家や地元の方々で構成される「江川流域づくり支援会議」で頂いた提言を踏まえ、河川整備計画の見直しに向けた検討を進めているところです。現在は、計画の降雨により発生する洪水の流量などの水理解析を進めております。今後、沿線の土地利用の状況や履歴などに関する情報を地元市の協力を得ながら調査し、その結果も踏まえつつ、調節池や排水機場など様々な手法を組み合わせた効率的な治水対策を検討してまいります。 次に、(二)原市沼調節池の早期整備と利活用についてでございます。 原市沼調節池は、五つの池のうち、これまでに四つの池が完成しており、令和元年の台風第十九号の際には約二十一万五千立方メートルの洪水を一時的に貯留し、下流の浸水被害軽減に効果を発揮しました。現在、残る一つの池においては、用地取得済の箇所で掘削工事に着手したところです。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、残る用地の取得や掘削工事を進め、早期整備に努めてまいります。 また、原市沼調節池内の平常時の利活用については、これまでも地元市町の意向に沿って協力してまいりました。既に完成している池の一部では、伊奈町が池の底面を占用し、平成二十四年度から多目的広場として利活用されているほか、上尾市においても利活用に向けた調整を進めております。 現在整備中の上の池周辺で、伊奈備前守忠次公屋敷跡を観光資源としたまちづくりを進めていることは伺っております。その一環として、伊奈町から上の池を利活用する具体的な提案があれば、今後とも積極的に協力してまいります。 次に、(三)県道鴻巣桶川さいたま線上尾陸橋交差点)の渋滞緩和策についてでございます。 この県道と県道川越上尾線が交差する上尾陸橋交差点では、右折帯が整備されていないため慢性的な渋滞が発生しています。このため、特に渋滞が著しい県道鴻巣桶川さいたま線の交差点より南側について、平成二十八年度から右折帯の整備に着手いたしました。平成二十八年度には測量及び設計を行い、平成二十九年度から用地交渉を始め、現在の用地買収率は五〇パーセントとなっております。令和元年度は引き続き用地取得を進めるとともに、工事着手に向けて関係機関との協議を進めております。今後も地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら用地取得を進め、早期に工事着手できるよう取り組んでまいります。          ---------------- △知事提出急施議案(第五十一号議案)に係る各委員長の報告に対する質疑 ○神尾高善議長 これより、急施を要する第五十一号議案に係る各委員長の報告に対する質疑を行います。 発言通告がありませんので、各委員長の報告に対する質疑は終了いたしました。          ---------------- △知事提出急施議案(第五十一号議案)に対する討論 ○神尾高善議長 続いて、討論を行います。 発言通告がありませんので、討論は終了いたしました。          ---------------- △知事提出急施議案(第五十一号議案)の採決 △第五十一号議案の採決-可決 ○神尾高善議長 これより、採決いたします。 第五十一号議案は、企画財政委員長、環境農林委員長及び県土都市整備委員長の報告のとおり、原案に賛成の議員の起立を求めます。       〔起立総員〕 ○神尾高善議長 起立総員であります。 よって、本議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。          ---------------- △次会日程報告 ○神尾高善議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十九日及び三月一日は、休日につき休会といたします。 来る二日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○神尾高善議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時一分散会          ----------------...